地域社会での男女平等について

「地域の中で女性の力を生かすこと」が、今求められています。

もちろん、これまでも女性は家庭や地域の中で大きな役割を果たしてきました。そして、政治・経済や教育などさまざまな分野で多くの女性が活躍してきました。社会のあらゆる分野への女性の進出は、以前に比べてずいぶん進んでいます。
しかし、男女が平等とはいえない部分もいまだに地域社会の中で見受けられるようです。

以前、市役所にこのような相談がありました。
自分が住んでいる地域では、区役(区の水路掃除などの作業)に女性が出た場合、誰も出なかった場合の半分の「出不足金」を払わなければならない。同じ作業をおこなっているのにどうして?というものでした。

出不足金は、地域によって「むしん金」「半むしん」などとも呼ばれる昔からの慣習(因習)ですが、重労働や危険な作業などが多く女性に肉体労働を強いることが困難などの理由から、女性に対する出不足金の制度が残っている地域もあります。
みなさんは、こういった古くから残る地域の慣習について、その慣習が一人ひとりの人権を尊重しているかどうか話し合われたことがありますか?

女性が地域のことを決める場へ積極的に関わり、さまざまな視点からの意見を出すことで新しい気づきが生まれ、地域づくりに生かされる可能性があります。東日本大震災後は特に、女性や障がい者などの幅広い視点が、防災やまちづくりなどに必要不可欠となっています。

多様な視点を生かして、もっと住みやすいまちになるよう、人権を尊重する意識を大切にしていきましょう。