山田白山宮比売神十二坊祭礼記録帳 附 十二坊塔碑
更新日:2025年3月27日
山田白山宮比売神十二坊祭礼記録帳 附 十二坊塔碑(やまだはくさんぐうひめかみじゅうにぼうさいれいきろくちょう つけたり じゅうにぼうとうひ)
【種別】玉名市指定有形民俗文化財
【指定年月日】平成22年4月21日
【伝承地】玉名市山田字上馬場及び下馬場
【内容】
- 山田白山宮比売神十二坊祭礼記録帳
山田日吉神社の相殿に祀る白山比売神を主神として、山田集落内には十二の坊が存在し、修験道の行者 (山伏) の子孫等と伝わる家がこれらをまもっています。毎年11月29日に各坊輪番で祭りの座を設け、祭礼が行われており、祭礼では祭儀の形式、方法、供物の調達、種類、数量、各祭祀への配分等に至るまで十二坊の合議によって取り決めます。
各祭主 (祭り座の請主)は、その都度、先規にならい祭礼供物、祭礼対象、祭礼に参加した坊の名称など祭事万般を書き留め、祭礼記録帳に加えて、次の番に引き渡します。この規約は、室町中期にはすでに成立していたと考えられ、天文2年(1532)以来、現在まで継承されています。なお、記録帳によると坊の数は多い年で20に及んでおり、かつては現在より多くの坊が関わっていたことが分かります。現在は、山田日吉神社での祭礼は行いますが、御供づくりなどは取り止めて簡略化しています。
祭礼記録帳は「オホシ」と呼ばれ、木製の厨子に納めて御神体扱いとし、次年の祭礼まで次の祭主宅に保管します。「オホシ」とされる祭礼記録帳は、旧玉名市による昭和50年の指定時には6巻57通とされていたが、昭和52年に表装され、現在は巻物となっています。2巻の巻物に表装されているものは、天文2年(1533)以降慶長7年(1602)までの70年間のうち46年分と江戸期の正保2年(1645)、宝暦14年(1764)、年不明の4年分の記録です。 - 十二坊塔碑(白山宮比売神十二坊守護尊)
山田集落の各所に所在する十二坊は、坊守の家や所在地に異動があると認められるものの、多くは旧状を保ち、祭礼記録帳と共に子孫等に受け継がれ現在に至ります。十二の各坊は、自宅の居屋敷内などに笠塔婆、五輪塔、宝塔、板碑、自然石を守護尊として祀っています。各坊の称号、守護尊の形式は下記のとおり。
称号 | 守護尊の形式 | 写真 |
---|---|---|
覚満坊 | 笠塔婆(完形)、文殊菩薩小像 | |
宝寿坊 | 花崗岩自然石板碑 | |
万楽坊 | 宝塔の塔身 | |
俊教坊 | 宝塔の塔身、自然石板碑 | |
大力坊 | 自然石巨岩 | |
徳蔵坊 | 五輪塔 | |
宮司坊 | 五輪塔 | |
西林坊 | 自然石板碑 | |
壇之坊 | 五輪塔 | ![]() |
円蔵坊 | 五輪塔3基 | |
徳仁坊 | 宝塔々身、五輪塔片 | |
宝泉坊 | 宝塔の塔身、五輪塔片 |
【地図】