玉名から単身ブラジルへ!女子サッカー選手
ブラジル女子プロサッカーチーム「スポルチ・レシフェ」で活躍中
藤尾きららさん(横島小学校、有明中学校出身,20歳)
5歳からサッカーを始め、中学からクラブチーム「バレイア」(長洲町)に所属。
試合を組み立てられる選手へと成長し、高校女子サッカーの名門・日ノ本学園高校(兵庫県)に進学。1年からチームメンバー入りし、高校総体や全日本選手権の優勝に貢献しました。
2017年3月高校卒業後、単身ブラジルに渡り、練習生を経て、ブラジル女子プロサッカー1部リーグに所属する「スポルチ・レシフェ」(ペルナンブンコ州レシフェ市)と2017年12月プロ契約。ポジションはMF(ミッドフィールダー)。2018年から女子プロサッカー選手として活躍中。
1年間のリーグ戦を終え、帰郷した2019年1月8日、その活躍ぶりを市長に報告しました。
悩みながらも成長を実感した1年
プロ契約した1年目のリーグ戦。スポルチ・レシフェは2018年の1部リーグで17位。藤尾さんは公式戦10試合に出場し、1ゴールを決めました。
「この1年、思う結果は残せなかったものの、自分のプレーや考え方の成長を実感しています。これは日本では得られなかったものです」
試合に出ることを第一目標にしていましたが、なかなか試合には出られませんでした。
日本人は自分だけ。現地のポルトガル語も分からず、仲間からのパスもあまり回ってこない日々。
調子が上がっていた9月には、対戦相手とぶつかり半月板を損傷して手術。
悩むことが多く、苦しいスタートとなりました。
そんな中偶然出られた試合でチームが勝利。「あぁ、やれるんだな、自分でも」と感じたことから自信に繋がりました。
その後怪我は完治し、磨きをかけた自分らしいプレー。
「技術や細かい動きは、ブラジルよりも日本が上。でも日本にはない姿勢がブラジルにはあります。プレーに対する熱量が圧倒的に高いです。体全部で表現して、本能のままにプレーし、喧嘩もしながら思い切って挑戦する。それが身近に学べて、とても良い環境にいます。楽しいです」
(写真:ブラジルのチームメイトと。藤尾さんは中央左側)
自分で決めた単身ブラジル行き
(写真:第23回全日本高等学校女子サッカー選手権大会優勝。藤尾さんは前列右から4番目)
同級生が大学やプロへ進む中、ブラジルへ渡った理由は「自分の力を試したかったから」。
人生を楽しみ、環境が変わっても自分らしくプレーできるか試すため。
住居やチームも決まっていないままに行くことを周囲は心配しましたが、単身でブラジルに渡り、スポルチ・レシフェと契約するまで練習生として武者修行しました。
藤尾さんを支えるお母さんは「本人のしたいようにさせたくて、背中を押しました。もし心が病んでも、怪我をしても、うまくプレーできなくても、家は農家だから無職にはなりません。なんとかなるから大丈夫」と笑顔で話します。
挑戦すれば、それはすでに成功していることと同じ。なによりも人生を楽しむことを大切にした選択でした。
慣れない海外生活も今は楽しんで
チームの寮で生活する藤尾さん。周囲の真似をしていると自然と言語は身に付き、ブラジルでの生活にも慣れました。食べ物は、現地のものを何でも食べますが、お米が細くてパサパサしているとのこと。「日本米が恋しくなりますね」と笑いました。
休みの日は、チームの友達と出かけたり映画を見たり。「ブラジルの人たちは、勝負に熱くて、とても優しいです」と周囲の人と充実した楽しい日々を送っています。
見据える目標
「自分の強みは、身長が低いので、細かな動きやすばやさだと思います。2年目は、自分の強みを活かして試合を運び、ゴールに直接繋げられるようなプレーをしたいです」と次の目標に向かって進みます。
「夢は、なでしこJAPANに入ることです!」
ポジティブでひたむきに挑戦する姿に、市長は「怪我に気をつけて。頑張って!期待しています!」と激励しました。
藤尾さんとスポルチ・レシフェは単年契約。
契約更新するか移籍するか未定ですが、また1年ブラジルでプレーすることは心に決めているそうです。
地球の反対側で挑戦する藤尾さんを玉名市から応援しましょう!
(プレー中や高校時代の写真は、すべて藤尾さん提供)
引用元:「単身ブラジル。人生は一回だから。」『広報たまな』平成31年3月号抜粋(PDF 約3MB)
※本ページは上記記事を元に加筆・修正して作成しました。人物の年齢・肩書きは平成31年3月1日現在のものです。
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