児童扶養手当とは
令和6年11月分(令和7年1月支払い)から児童扶養手当の制度が一部改正され、所得制限限度額と第3子以降の加算額が引き上げられます。
児童扶養手当は、父母の離婚などにより父または母と生計を同じくしていない児童を養育している家庭(ひとり親家庭)の生活の安定と自立を支援し、児童の福祉の推進を図ることを目的として支給される手当です。
1. 児童扶養手当を受給できる人
次の1から9の条件にあてはまる児童を監護している父、母及び父母にかわってその児童を養育している養育者(児童と同居し、監護し、生計を維持している人)が受給できます。
なお、この制度でいう「児童」とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの児童をいい、児童に一定以上の障がいがある場合は、20歳未満の児童をいいます。
- 父母が離婚(事実婚解消も含む)後、父または母と別れて生活している児童
- 父または母が死亡した児童
- 父または母が重度の障がい(国民年金の障がい等級1級程度)の児童
- 父または母の生死が明らかでない児童
- 父または母から1年以上にわたり遺棄されている児童
- 父または母が裁判所からDV保護命令を受けた児童
- 1年以上にわたり父または母が法律により拘禁されている児童
- 婚姻(事実婚も含む)によらないで生まれた児童
- 上記に該当するかどうか明らかでない児童
ただし、次のいずれかにあてはまる場合は、受給することができません。
- 父、母、養育者及び児童が日本に住んでいないとき
- 児童が父または母と生計を同じくしているとき(ただし父または母が政令で定める程度の障がいの状態にあるときを除きます。)
- 児童が父または母の配偶者に養育されているとき(配偶者には、内縁関係にある者も含み、政令で定める程度の障がいの状態にある者を除きます。)
- 児童が里親に委託されている、または児童福祉施設に入所しているとき(母子生活支援施設、保育、通園施設を除きます。)
2. 手当を受ける手続き
手当を受けるためには、子育て支援課窓口で次の書類を添えて請求の手続きが必要です。市長の認定を受けることにより支給されます。
認定請求に必要な書類
- 請求者と対象児童の戸籍謄本(離婚による申請の場合は、離婚日の記載のあるもの)
- 年金手帳(基礎年金番号および資格取得年月日が分かるもの)
- 請求者と対象児童の健康保険証
- 請求者名義の預金通帳
- 請求者のマイナンバー(個人番号)が確認できるもの(次のうちいずれか)
請求者本人のマイナンバー(個人番号)カード
請求者本人のマイナンバー(個人番号)通知カード(記載された住所が現住所と異なる場合は使用できません。)
請求者本人のマイナンバー(個人番号)の記載された住民票の写し又は住民票記載事項証明書 - 請求者の身元が確認できるもの(次のうちいずれか)
請求者本人のマイナンバー(個人番号)カード
自動車運転免許証
パスポート
在留カード
身体障害者手帳
精神障害者保健福祉手帳
健康保険証
年金手帳
その他の身元確認書類
本人確認書類のうち、顔写真のついていないものについては、2種類の提示が必要です。
必要書類に児童・配偶者・扶養義務者のマイナンバーを記載する必要がありますので、事前に確認してきてください。
養育状況等により、その他の書類が必要になる場合がありますので、事前にご相談ください。
3. 手当の額
手当の額は、請求者、配偶者及び扶養義務者(申請者と同居している直系血族及び兄弟姉妹など)の前年の所得(1月から9月に申請する場合は、前々年の所得)によって、3つの支給区分に定め、11月1日から翌年の10月31日までを支給年度として、手当の額を決定します。
支給区分
- 全部支給
対象児童の数に応じた手当月額の全額が支給されます。 - 一部支給
請求者の所得が全部支給の限度額を超えると、所得に応じて10円単位で手当月額の一部が減額されます。 - 全部停止
請求者の所得が一部支給の限度額を超える、又は配偶者及び扶養義務者の所得がその限度額を超えると手当は支給されません。
所得の計算
所得とは給与所得控除額、必要経費等を控除した額です。
申請者が母または父の場合、養育費の8割相当額を所得に加算します。
社会保険料相当額として一律80,000円が控除され、地方税に規定する次の控除がある場合は、所得金額から控除されます。
- 障害者控除 270,000円
- 特別障害者控除 400,000円
- 勤労学生控除 270,000円
- 雑損、医療費、小規模企業共済等掛金、配偶者特別控除は、当該控除額相当額
寡婦控除270,000円、ひとり親控除350,000円は、養育者・扶養義務者のみに適用されます。
公共用地取得に伴う土地代金や物件移転料等の土地収用で土地を譲渡した場合に生じる売却益等については、一定の金額を総所得金額等合計額から控除します。
手当月額(令和6年11月分から)
令和6年11月から第3子以降の加算額が第2子の加算額と同額に引き上げられます。
対象児童数 | 全部支給 | 一部支給 |
---|---|---|
第1子 | 45,500円 | 45,490円から10,740円 |
第2子以降 | 10,750円 | 10,740円から5,380円 |
所得制限限度額(令和6年11月分から)
令和6年11月から受給資格者本人の所得制限限度額が下表のとおり引き上げられます。
なお、扶養義務者等の所得制限限度額の変更はありません。
扶養親族等の数 | 受給資格者本人 | 孤児等の養育者 配偶者 扶養義務者 | |||
---|---|---|---|---|---|
全部支給 | 一部支給 | ||||
これまで | R6.11月から | これまで | R6.11月から | ||
0人 | 49万円 | 69万円 | 192万円 | 208万円 | 236万円 |
1人 | 87万円 | 107万円 | 230万円 | 246万円 | 274万円 |
2人 | 125万円 | 145万円 | 268万円 | 284万円 | 312万円 |
3人 | 163万円 | 183万円 | 306万円 | 322万円 | 350万円 |
4人 | 201万円 | 221万円 | 344万円 | 360万円 | 388万円 |
5人 | 239万円 | 259万円 | 382万円 | 398万円 | 426万円 |
扶養親族等が6人以上の場合は1人につき38万円を加算した額
扶養親族等の数は、所得税法に規定する扶養親族の人数です。
所得税法に規定する同一生計配偶者(70歳以上の者に限る。)、特定扶養親族(16歳以上19歳未満の控除対象扶養親族含む)または老人扶養親族がある場合、上記の所得制限限度額に加算されます。
- 申請者の場合
同一生計配偶者、老人扶養親族1人につき100,000円を加算
特定扶養親族1人につき150,000円を加算 - 申請者の配偶者、扶養義務者の場合
老人扶養親族1人につき60,000円を加算
ただし、扶養親族等がすべて70歳以上の場合は1人を除きます。
一部支給の手当額の計算方法
第1子月額=45,490円ー(受給者の所得額ー全部支給に係る所得制限限度額)×0.025
第2子以降月額=10,740円ー(受給者の所得額ー全部支給に係る所得制限限度額)×0.0038561
※計算式中の数値は、物価変動等により定期的に改定されます。
対象児童や受給資格者が公的年金等を受けることができる場合
次の1から3に当てはまる場合は、年金等の合算額が児童扶養手当の額より少ない場合に、その差額分を受給することができます。
ただし、障害年金を受けることができる場合は、令和3年3月分から手当の計算方法が変わります。
- 父または母の死亡について支給される遺族年金、遺族補償を受けることができる。
- 国民年金法に基づく老齢福祉年金以外の年金等を受けることができる。
例:老齢基礎(厚生)年金、障害基礎(厚生)年金など - 対象児童が父または母に支給される年金の加算の対象になっている。
手当月額や係数は、「物価スライド制」により、今後改定されることがあります。
4. 手当の支給
受給者として認定されると請求を受理した日の属する月の翌月分から支給されます。
支払いは、1月、3月、5月、7月、9月及び11月の年6回、2ヶ月分ずつ請求者の指定した口座に振込まれます。
手当の対象月 | 支給日 | 備考 |
---|---|---|
11月分・12月分 | 1月11日 | 支給日が土曜日・日曜日・祝日にあたるときはその直前の金融機関が営業している日に支給されます。 |
1月分・2月分 | 3月11日 | |
3月分・4月分 | 5月11日 | |
5月分・6月分 | 7月11日 | |
7月分・8月分 | 9月11日 | |
9月分・10月分 | 11月11日 |
5. 自立努力義務
手当の支給を受けた父または母は、自ら進んでその自立を図り、家庭の生活の安定と向上に努めなければならないことが法律に明記されています。
受給資格者が、正当な理由なく求職活動や自立を図るための活動をしない場合、手当の全部または一部が支給されないことがあります。
6. 受給者の届出義務
手当を受けるようになると、次のような届出の義務が生じます。
現況届
毎年8月中に市役所窓口に届け出て、次年度以降の支給要件等の審査を受けます。
資格喪失届
次のような場合は、手当を受けることができなくなります。
- 受給者または児童が日本国内に住所を有しなくなったとき。
- 受給者が婚姻する、または婚姻の届出はなくても事実上の婚姻関係(同居している、または頻繁に定期的な訪問があって生活費の援助があるなどの状況)となったとき。
- 市外へ住所を移すとき。
- 児童を監護・養育しなくなったとき。
- 受給者もしくは児童が死亡したとき。
- 児童が児童福祉施設等に入所したり、里親に委託されたとき。
- 児童が父または母と生計を同じくするようになったとき。
- 拘禁中の児童の父または母が出所したとき。
- 遺棄している児童の父または母から連絡、訪問、送金があったとき。
他にも喪失となる場合がありますので、わからないことがあれば子育て支援課にお問い合わせください。
一部支給停止適用除外届出
次のいずれかの早い方を経過したときに提出が必要となります。
- 手当を受給できるようになった月から起算して5年を経過したとき。
- 手当の支給要件に該当した月から起算して7年を経過したとき。
ただし、認定請求等をした日に3歳未満の児童を監護する場合は、この児童が3歳になった月の翌月から5年を経過したとき。
この届出がされない場合、手当額の2分の1が支給停止となることがあります。
公的年金給付等受給状況届
受給者または対象児童が公的年金を受けることができるようになったとき
支給停止関係届
所得の高い扶養義務者と同居または別居するなどしたとき
辞退届
手当の全部が停止されていて、今後も所得制限限度額を下回る見込みがない等の理由により、受給資格を辞退したいとき
※辞退届提出後に、所得が所得制限限度額を下回ったり、所得制限限度額が緩和されたりし、児童扶養手当の認定が改めて必要となった場合は、認定請求書を再度提出する必要があります。
その他
対象児童の数に増減があったとき、住所、氏名及び支払金融機関を変更するとき
7.その他
偽りその他不正に手当を受けた者は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金に処されることがあります。
手当受給権の譲渡や担保に入ることはできず、差押さえられることはありません。
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