玉陵中学校「令和6年度 子供の読書活動優秀実践校 文部科学大臣表彰」受賞
人と本がつながる玉陵中学校図書室
玉陵中学校は「令和6年度子どもの読書活動優秀実践校」として、文部科学大臣表彰を受賞しました。この表彰は、子どもの読書活動について「特色ある優れた実践を行っている学校」に対し、平成14年から行われているもの。本年度は全国で129校が表彰され、うち県内では玉陵中学校を含む3校が表彰されました。
玉陵中学校では、生徒自らが読書の推進についてアイデアを出し合い、校内掲示やイベントなどによる普及啓発活動をしています。授業で本の活用が行われるだけでなく、学校運営協議会、地域学校協働活動推進員、PTAも一体となって活動を展開。施設一体型小中一貫教育の強みを生かし、生徒による玉陵小学校の児童への読み聞かせが定期的に行われ、小中連携の活動にもつながっています。学校のみならず地域を交えて取り組んでいる活動が、生涯にわたる読書活動へと子どもたちを導く教育として評価され、今回の受賞となりました。
年間1人13冊だけ。3年前の実態
令和3年度の本の1人当たりの年間貸し出し冊数は13冊。玉陵中学校では読書の推進が学校の大きな課題の1つとされ、そのことは保護者アンケートなどの結果からもうかがえるものでした。
「これ以上貸し出し冊数を減少させてはいけない」と、図書主任と学習委員会が中心となり、貸し出し状況を細かくチェック。「行列のできる図書室」「情報発信をする図書室」「身近な図書室」の3つの目標を掲げ、学校全体で取り組みました。
また行きたくなる図書室
図書室周辺含め校内各所に「旬の本」「おすすめの本」を紹介するポスターを掲示。たくさん本を借りるとしおりがもらえる「しおりまつり」や、本を読むと正解が分かる「クイズ」など季節ごとにイベントを行い、本に親しみやすい環境を整えました。図書担当の有働尚子先生は「生徒が『こんなイベントをしたい!』とたくさん声を上げてくれるので、その声に応える努力をしています」と話し、生徒からの要望に常に耳を傾けています。さらに貸し出し方法も工夫。バーコードによる管理を行い、スマート化しました。
地域とつくる本に触れる機会
授業では並行読書や調べ学習での本の活用を積極的に行い、玉名市立図書館での職場体験も実施。PTAと地域住民のボランティアによる読み聞かせにも力を入れ、毎月行われています。地域学校協働活動推進員の荒木あけみさんが、読み聞かせだけでなく図書室の設営も協力。荒木さんは「これまで本をたくさん読む生徒は限られていました。読み聞かせを続け、本に触れる機会を作ってきましたが、なかなか効果は現れず。有働先生や学習委員会の生徒による新しい工夫に、読書活動を推進する効果があったと思います」と話し、地域ぐるみで生徒の読書環境の改善に努めました。
(写真:玉陵中学校で読み聞かせをする荒木さん)
読書の種が強みとなるその日まで
学校全体、地域を交えての読書の推進に取り組んだ結果、本に親しむ生徒が多く見受けられるようになりました。令和5年度には、本の1人当たりの年間貸し出し冊数は89冊にまで伸び、当初の約8倍に。大幅に増加しました。
受賞を受けて、学習委員長の吉村朱織さん(3年生)は「とてもうれしい。図書室がにぎわっているのもすごくいいなと思う」と喜びを表し、副委員長の船越虹心さん(3年生)は「みんながこんなに借りていたことにびっくりしました」と話しました。
松本恒明校長先生は「玉陵中は小学校から読み聞かせを続け、本に触れる種をまいているからこそ、中学生につながっていると思います。子どもたちがいろんな本に触れるきっかけになる図書室であってほしいです。読書の効果はすぐには見えませんが、読書をする子はいろんな見方ができるようになると思います。大人になったときに、子どものころにたくさん読書をしたことが、それぞれの強みになっていくのではないかと、そうであってほしいと願っています」と読書推進への思いを語りました。
(写真:「読書活動優秀実践校 文部科学大臣賞」の表彰状を掲げる皆さん。左から市長、教育長、吉村朱織さん、松本恒明校長、船越虹心さん、有働尚子先生、荒木あけみさん)
引用元:「特集 本に触れる、心を耕す」『広報たまな』令和6年7月号抜粋(PDF 約4MB)
※本ページは上記記事を元に加筆・修正して作成しました。人物の年齢・肩書きは令和6年7月1日現在のものです。
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