紙本墨書広福寺文書(百八通)
更新日:2021年2月10日
紙本墨書広福寺文書(百八通)(しほんぼくしょこうふくじもんじょ)
【種別】国指定重要文化財(古文書)
【員数】4巻
【指定年月日】昭和14年5月27日
【所在地】熊本市中央区二の丸2 熊本県立美術館保管
【所有者】民間団体
【内容・特徴】
紫陽山広福寺は、正平12年(1357年)、大智禅師を開山とし菊池氏より創建された曹洞宗の寺院で、数多くの文化財を伝えています。大智(1290年から1366年)は、宇土郡の出身で、大慈寺寛厳義尹について出家し、中国の元で学んで帰朝し、曹洞宗の方系をつぎました。のちに肥後に帰り、菊池氏の信任を受けて菊池の鳳儀山聖護寺に住しました。その後、一時肥後を離れたが、菊池武澄の遺命により広福寺開山に請ぜられました。
紙本墨書広福寺文書は、広福寺が代々菊池氏を外護者と仰いだので、南北朝時代から戦国時代にいたる菊池武重、武士、武澄ら菊池一族関係の寄進状や起請文・安堵状などが大部分を占めています。また、戦国大名の大友義鎮や龍造寺隆信らの安堵状などのほか、手印のある大智契状や寺領関係文書なども含まれています。これだけ多くの菊池氏関係文書が集まっているのは他に例がなく、本文書は菊池氏の精神を知るのみならず、肥後の中世歴史を知る根本文書として貴重なものです。
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