大智墨蹟 東谷明光除夜偈
更新日:2021年2月10日
大智墨蹟 東谷明光除夜偈(だいちぼくせき とうこくみょうこうじょやのげ)
【種別】国指定重要文化財(書跡)
【員数】1巻
【指定年月日】昭和50年6月12日
【所在地】熊本市中央区二の丸2 熊本県立美術館保管
【所有者】民間団体
【内容・特徴】
大智(1290年から1366年)は、肥後の宇土郡出身で、大慈寺寒巌義尹について出家後、加賀へ赴き、さらに大陸に渡って元で学んで帰朝、曹洞宗の法系をつぎました。のちに肥後へ帰り、菊池氏の信任を受けて菊池の鳳儀山聖護寺に住しました。その後、一時肥後を離れますが、菊池武澄の遺命によって広福寺開山に請ぜられました。
この書は、大智禅師が南宋の東谷明光の除夜の偈(大晦日の夜によんだ詩)を、恵生禅人に書き与えたものです。(東谷山永光寺和尚の除夜の偈という説もある。)この書は、3枚を継いだ緒紙に気品あふれる大きな字でのびのびと書かれており、北宋の黄山谷の書風に似ていることから、大智がその書風を会得していたとみられます。黄山谷流の書は、同じ禅宗の一派臨済宗の僧侶たちにその影響を見ることができますが、曹洞宗においては珍しく、この書は、その代表的な墨蹟として貴重です。
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