経塚・大塚古墳群
経塚・大塚古墳群(きょうづか・おおつかこふんぐん)
【種別】熊本県指定史跡
【員数】4基
【指定年月日】平成10年9月16日
【所在地】玉名市天水町部田見1213-1他
【所有者】個人・玉名市
【内容・特徴】
立花から部田見にのびる丘陵上に所在する大塚古墳・経塚古墳・小塚古墳・経塚西古墳の4基から成る古墳群で、4世紀から5世紀の築造と考えられています。周辺にはこの4基以外にも古墳が存在したといわれますが、開墾などにより現在は消滅しています。
出土品の一部は、玉名市立歴史博物館こころピアや玉名市天水市民センター敷地内にて展示しています。
- 大塚古墳
大塚古墳は、現況で墳長70メートルを測る3段築盛の前方後円墳です。4世紀中頃に築造されたと考えられ、主となる埋葬施設は、後円部墳頂に少なくとも2基確認されています。1基は、凝灰岩製の舟形石棺で、もう1基は未調査のため不明です。舟形石棺は、盗掘の際に破壊されていましたが、内面及び外面の一部にベンガラが塗布され、一部で水銀朱も確認されています。発掘調査時に出土した破片から石棺の復元を行い、玉名市天水市民センター敷地(天水体育館入口階段下)に展示しています。また、墳丘の1段目及び2段目の平場でも、これまでに安山岩製の箱式石棺4基が確認されています。遺物としては、工具などの鉄製品、内行花文鏡、壺型埴輪などが出土しています。
- 経塚古墳
経塚古墳は、4世紀末に築造されたと考えられる直径約45メートル、高さ約7メートルの円墳です。墳頂部から出土した凝灰岩製の舟形石棺は、内側の全面にベンガラが塗布されたもので、全長280センチメートル、幅80センチメートル、高さ150センチメートルを測り、九州でも最大級の大きさを誇ります。石棺内からは、成人男性の人骨一体分と副葬品(外装付鉄剣・珠文帯鏡・碧玉製管玉3点など)が出土しています。また石棺蓋の両側面には方形区画の線刻があり装飾古墳としても数えられます。
【関連文化財】・経塚古墳出土品(玉名市指定重要有形文化財)
- 小塚古墳
小塚古墳は、平成8年から9年に行われた周溝確認調査の結果から、4世紀末から5世紀初頭に築造された、直径約33メートルの円墳と考えられます。主体部は未調査のためその詳細は不明ですが、墳頂部に残る石材は箱式石棺の一部と思われます。壺型埴輪・円筒埴輪が出土しています。壺型埴輪は、玉名市天水市民センターにて展示しています。
- 経塚西古墳
経塚西古墳は、4世紀末から5世紀初頭に築造された円墳と考えられていますが、未調査のため詳細は不明です。墳丘規模は、現況で直径約26メートルを測り、墳頂部に安山岩の板石が散乱していることから、主体部は箱式石棺と想定されています。
【地図】