菊池川堤防のハゼ並木
菊池川堤防のハゼ並木(きくちがわていぼうのはぜなみき)
【種別】国登録記念物(植物)
【員数】237本
【登録年月日】平成19年2月6日
【所在地】
- 玉名市繁根木字島田347-1地先から六田3地先まで
- 玉名市六田3 から小浜字東割1168地先まで (約90,000平方メートル)
【所有者】国土交通省(管理責任者:玉名市)
【内容・特徴】
玉名市を貫流する菊池川の堤防沿いには、多くのハゼが植栽されている。繁根木川を渡るJR鹿児島本線と大浜橋までの間約3.2キロメートルの範囲の237本のハゼノキが「菊池川堤防のハゼ並木」として国の登録記念物となっている。植物としては国内初の国登録である。最も太い個体は幹廻り約3.5メートル、樹高の高い個体は約14.3メートルにも達している。
ハゼノキはウルシ科の落葉高木で、関東南部以西の山野に自生している植物であるが、木蝋(植物性油脂を原料としたろうそく)の原料として江戸時代、あるいはそれ以前に東アジア大陸から導入されたものを植栽したといわれている。木蝋生産と関連したハゼノキの植栽は江戸時代から九州を中心に行われ、各地で品種改良が行われた。堤防の根固めの目的で川沿いの土手などに多く植えられ各地でハゼ並木が形成されたが、木蝋生産の衰退とともに植栽地は減少し、多くのハゼが失われた。菊池川堤防沿いに残されたハゼ並木はかつての木蝋生産の名残であり、当時の面影をよく伝えるものである。
熊本藩では、寛文4年(1664年)にハゼが特産品奨励品として植栽され、寛文11年には玉名ほか10ヶ郡にハゼ苗植え付けの触が出された。本格的な植栽のはじまりは亨保9年(1724年)頃といわれ、菊池川堤防のハゼもこの頃から植栽が開始されたものと考えられている。
【地図】
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