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暮らしの営みと信仰で守られてきた景観『石貫安世寺地区』

更新日:2018年10月26日

暮らしの営みと信仰で守られてきた景観

石貫安世寺地区

繁根木川を遡り辿り着く谷あいの静かな里には、観音様が祀られた横穴、農地、自然が調和した、素晴らしい農村集落の姿が受け継がれている。

石貫安世寺地区の農村景観画像。詳細は本文に記述されています。


 

岩壁の暗い入口をのぞくと古の「お観音さん」に会える

穴観音横穴の写真


安世寺の集落を見渡せる高台の岩壁に掘られた大きな横穴は、千四百年以上も昔、この地を治めていた首長(リーダー)のお墓。赤で彩られ三重に縁取られた重厚な入口から先は、千数百年間そのままの空間。いにしえの空気を感じることができます。岩を削り造られた、瓦葺きを思わせる庇の下には浮き彫りの「千手観音像」が鎮座しています。

石貫穴観音横穴のお観音さんの写真


千手観音像の写真


守り伝えてきた人びと

「お観音さん」が彫られたのは、横穴が造られて数百年後の平安時代初期。それからの千年間には、集落の中に「安世寺」というお寺がつくられたり、戦乱の時代、さらに江戸、明治、大正、昭和と時代が変わる中で地震や台風など自然災害にも見舞われてきました。それでも現代の私たちが、横穴や観音像の変わらぬ姿を見学できることは、この地域の人々の努力の賜です。

この「石貫穴観音横穴」の保存と継承に長年尽力してきた功績により、安世寺地区の9世帯の皆さんは平成26年度に「地域文化功労者」として文部科学大臣表彰を受けました。管理・清掃は、9世帯による1年ごとの輪番制で、花のお供えや清掃、見回りを週3回程度行い、除草作業は住民総出で行います。

拝殿前を掃除する安世寺地区の皆さんの写真


掃除をする安世寺地区の女性の写真


古くから信仰を集める「お観音さん」の横穴前には拝殿が設けられ、地域の交流の場にもなっています。今年の当番の大門元二さんの話では、横穴周辺は集落の子どもたちの遊び場で、自分の親や、もっと前の代から、お観音さんをみんなで代々守り伝えてきたとのこと。奥さんのミヤ子さんの子どもの頃は、自由に見学できず、役場への届出をしてカギを借り、やっと見学ができたのだそうです。大門さんは、80代後半になった今も、清掃だけでなく小学生に昔の話をしたりと活躍中です。

掃除をする大門夫妻の写真


大門元二・ミヤ子夫妻の写真

平成28年の当番は大門元二(86歳)・ミヤ子さん(87歳)夫妻



最近は装飾古墳一斉公開などで見学者が増え、よそから人が来ると思うときれいにしておかないといけないと、地区の皆さんはうれしい悲鳴をあげています。

石貫安世寺地区の皆さんの写真

 


地域の宝は地域の力で

「石貫穴観音横穴」は大正10年、日本初の国史跡になるほど、全国的にみても重要な文化財であり、玉名の文化財の代表格であり続けています。その「地域の宝」を守る地区の皆さんの日々の暮らしと一体となった活動は「大切に守り子孫に伝えたい」という思いとともに先祖代々受け継がれ、横穴を中心に家並み、農地が調和した素晴らしい集落景観をも守り続けています。
石貫安世寺地区の集落の写真

 

 

 



安世寺集落内の景観写真


地区には瓦屋根の伝統的家屋、蔵が建ち並び、農地とも調和した集落景観が守られている。


拝殿までの急な階段の写真


掃除のたびに、集落を見守る高台にある横穴へと数十段の急な階段を上り降りする。 


「安世寺」という地名の由来は15世紀に創建された寺院。戦乱で焼失したとされ、集落内に残る歴代住職の墓(市指定史跡)がその名残を伝えるのみ。横穴のお観音さんは「安世寺」よりもっと古い時代から代々信仰されてきました。 安世寺墓塔群の写真


 

玉名らしい「景観」は、市民共有の財産

石貫の風景写真


 


自然や田園、住宅など、目に見えるものはすべて「景観」です。玉名市の景観は、地域の歴史や文化、人々の営みを背景に、先人たちが長い時間をかけて作り上げてきた「市民共通の財産」なのです。

「玉名らしさ」を感じられる味わい深い景観に愛着と誇りを持ち、より高めていくために、玉名市では、「玉名市景観計画」を策定しました。今後、「菊池川が育んだ味わい深い景観をかたるまち」を将来像にかかげ、市民の皆さんと一緒に景観まちづくりを進めていきます。

石貫穴観音横穴

国指定史跡石貫穴観音横穴 ロゴ画像


仏様もいる、珍しい横穴墓

拝殿から見た石貫穴観音横穴の写真


5基の横穴墓のうちの一つに彫られた千手観音から、石貫穴観音横穴と呼ばれています。3つ並んだ中央の横穴が最も立派な造りで、約6メートルもの奥行き。入口に赤や白の円文が描かれ、装飾古墳として有名です。内部には遺体を納める場所が3つあり、奥は瓦葺のお堂を思わせる庇、 通路の左右は黄泉の国へ死者を運ぶ舟のような形が、岩壁をくり抜き驚くほど精巧に作り出されています。

我が国初の国指定史跡

大正10年に石貫ナギノ横穴群(サイト内リンク)や県内の5カ所の装飾古墳とともに、国の史跡に指定されました。これは装飾古墳として日本国内で第一期の指定であり、その存在を広く世の中に広める第一歩となった、記念すべき史跡です。

「ご先祖様がそこにいた?!」いにしえの空間を、のぞいてみよう

 横穴の内部の写真。詳細は本文に記述されています。


 


こころピアにある断面模型でも中の造りや観音様を見学可能!

「家族のお墓だから、中の部屋は意外と広いにゃぁ」

横穴のイラスト画像。詳細は本文に記述されています。


 


 

 


「1400年以上前のタマナじゃ○(まる)や◎(二重まる)模様が流行していたんだにゃ」

春と秋の装飾古墳一斉公開(サイト内リンク)で見学できる山鹿市、人吉市、錦町の横穴では、人物、弓矢や刀などの武器が「浮彫り」されていますが、玉名の横穴は◎(二重まる)や▲(三角)など幾何学文様が入り口周辺に「彩色」されているのが特徴。地域や時代によって違うお墓の形を、見くらべてみませんか。

 

引用元:「暮らしの営みと信仰で守られてきた景観、石貫安世寺地区」『広報たまな』平成28年10月号抜粋(PDF 約1MB)

広報たまな平成28年10月号表紙画像

 


※本ページは上記記事を元に加筆・修正して作成しました。人物の年齢・肩書きは平成28年10月1日現在のものです。


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