永安寺東古墳 ・ 永安寺西古墳
(左記写真について)永安寺東古墳奥室入口
永安寺東古墳(えいあんじひがしこふん)・永安寺西古墳(えいあんじにしこふん)
【種別】国指定史跡
【員数】各1基
【指定年月日】平成4年12月15日
【所在地】玉名市玉名3237-1 他
【所有者】玉名市
【内容・特徴】
永安寺東古墳・永安寺西古墳は、6世紀末から7世紀前半に築造されたと考えられる古墳です。菊池川右岸の玉名平野をのぞむ丘陵の先端にあり、東西に2基が並んでいます。いずれも円墳で、南に開口する横穴式石室が設けられています。
石室内部は、入り口から羨道を通って、手前に前室、その奥に玄室(奥室)があり、複室とよばれる構造です。玄室には、遺体を安置する石屋形が設けられていますが、西古墳については、上部が失われていました。
(左記写真について)永安寺東古墳 (右上写真について)永安寺東古墳奥室石屋形
永安寺東古墳・永安寺西古墳の最大の特徴は、石室内部に装飾が施されている装飾古墳であることです。石室内は、赤の顔料で描かれた、三角文・円文で飾られています。東古墳では、船や馬も描かれています。西古墳の装飾は、残念なことに色が失われてしまっており、外郭線だけが残っています。
これら貴重な古墳と装飾をを保護するため、平成6年に公有地化を図り、平成11年から平成17年にかけて保存整備事業を実施しました。永安寺西古墳は、墳丘と石室全体を大きなドーム状の屋根で覆い、保護する工事を行いました。永安寺東古墳は、石室を一部復旧し、鉄筋コンクリート造の保護見学室を設置し、保護する工事を行いました。
永安寺東・西古墳整備後の温湿度状況(平成23年まで)(PDF 約225KB)
永安寺東古墳・永安寺西古墳整備のこれまで(令和5年まで)(PDF 約748KB)
平成28年4月の熊本地震において、永安寺東古墳は石材の損傷、永安寺西古墳は石室内への土砂の流入などの被害を受けました。
また、令和2年7月の熊本豪雨において、永安寺東古墳の墳丘部に亀裂が入り、その影響により石室への通路及び階段部分が破損しました。
令和5年現在、復旧へ向けて、検討会議で協議を行いながら、各種調査などを進めています。
永安寺東古墳・永安寺西古墳は、菊池川流域日本遺産の構成文化財です。
菊池川流域に所在する装飾古墳は117基を数え、国内一の密度を誇ります。永安寺東古墳・永安寺西古墳は、菊池川流域のほかの装飾古墳とともに、日本遺産「米作り、二千年にわたる大地の記憶〜菊池川流域「今昔『水稲』物語〜」の構成文化財のひとつに認定されています。
地図
令和2年熊本豪雨により被災したため、現在、内部の見学はできません。