5月31日は世界禁煙デーです!みんなで「卒煙」しませんか?
5月31日は世界禁煙デー
喫煙による健康被害を減らすため、1987年世界保健機構(WHO)が、毎年5月31日を「禁煙を推進するための記念日」として世界禁煙デーと定めました。
喫煙によりほぼすべての臓器が害を受け、健康に影響を及ぼします。日本はかつては8割を超す男性が喫煙し、家庭や職場など室内での喫煙が一般的であった時期がありました。今では、たばこを吸うことによる害は周知の事実となり喫煙率は減少していますが、ニコチン依存症のためなかなかやめられなかったり、健康影響についてたいしたことがなく、ずっと先のことだと思うなどまだまだ過小評価されている傾向にあります。実際には、肺がんなど有名な病気以外にも多くの病気が、喫煙により引き起こされると明らかになってきています。
疾患名 | 発症部位および影響 |
---|---|
がん | 膀胱・子宮頚部・食道・腎臓・喉頭・白血病・肺・口腔・膵臓・胃 |
循環器疾患 | 腹部大動脈瘤・動脈硬化・脳血管疾患・冠状動脈疾患 |
呼吸器疾患 | 慢性閉そく性肺疾患・肺炎・子宮内での呼吸器への影響(肺機能) 小児/青年期の呼吸器への影響(肺機能・呼吸器症状・喘息の症状) 成人の呼吸器への影響(肺機能)・その他(呼吸器症状) |
生殖器における疾患 | 胎児死亡・死産・生殖機能低下・低出生体重・妊娠の合併症 |
その他 | 白内障・健康状態の減弱/有病・大腿頸部骨折・低骨密度・消化性潰瘍 |
出典:厚生労働省eヘルスネット
厚生労働省は、世界禁煙デーの5月31日から6月6日までの1週間を禁煙週間として定めています。禁煙は、上記のような病気を予防できるというメリットに加え、イライラ感がなくなる、食べ物がおいしくなる、咳や痰が出なくなる、肌の調子がよくなる、口臭が改善するなど、すぐ実感できるメリットが盛りだくさんです。また、1日1箱吸っている方が禁煙すると、1年間で15万円の節約になります。
レッツ・トライ「卒煙」!
今まで、禁煙に挑戦してもしてもだめだった・・と禁煙を諦めた方。禁煙成功者の多くは、何度かの挫折を乗り越えて成功しています!禁煙による禁断症状のやまは、3日から7日と言われています。禁煙週間に併せて禁煙してみませんか?
禁煙のコツをご紹介します!
正しい禁煙の方法
- 期日を決めて一気に禁煙を開始する
- 一定の禁断症状は覚悟する(3〜7日がヤマ)
- 喫煙と結びつく生活パターンを変える
食後はすぐに席を立って歯磨き
コーヒーや飲酒を控える
朝の喫煙を洗顔に変える - 吸いやすい「環境」を作らない
タバコ・ライター・灰皿は捨てる
喫煙者や禁煙場所に近づかない
タバコを買っていた場所に行かない
3原則は「捨てる・買わない・もらわない」 - 吸いたくなったら「代わりの行動」 3分を乗り越えよう
深呼吸、冷水を飲む、ガム、ミント系タブレット、歯磨き など・・ - うまくいかない時は、市販の薬の活用や「禁煙外来」がおススメ
市販薬として「禁煙ガム」や「ニコチンパッチ」が販売されています。自力禁煙に比べ1.4〜1.7倍の成功 率!
禁煙外来では、貼り薬(ニコチンパッチ)や内服薬(チャンピックス)の処方をしてもらえます。自力禁煙に比べ、楽にやめることができ、メリット・デメリットの説明を受けた上で、禁煙を始められます。健康保険適応になる場合も多いです。
卒煙にむけて絶対やってはいけないこと
1.軽いタバコに変える
「軽いタバコ」も「強いタバコ」も成分はほぼ一緒です。「軽いタバコ」の方が、フィルターの穴の数が多いので、タバコの先からでる煙は強いタバコより有害だと報告されています。
2.だんだん減らそうとする
タバコをやめられない理由は、脳の中にニコチンを欲しがる受容体があるからです。1本でも吸っていれば、このニコチン受容体は減りません。吸いたい気分がいつまでも消えず、苦しい期間が続きます。やめるときは「きっぱりと!」
3.「1本くらいなら」と甘くみる
禁煙に慣れても、時々吸いたい気分がわいてきます。当初は1日数回〜数十回。だんだん減ってきます。「1本だけならいいだろう・・」と吸ってしまうと、ニコチン依存が始まり、努力が水の泡となってしまいます。
- 喫煙により脳にニコチンが到達
- ニコチンが脳でドバミンを放出
- ドバミンは快感や快楽をもたらす
- ニコチンは時間とともに欠乏
- ドバミンによる快感を回復させようとニコチンを切望=(ストレス)
- 煙草を吸いたい、イライラが生じ、我慢できない
4.「電子タバコ」「加熱式タバコ」に変える
今流行の加熱式タバコ(アイコスやグローなど)。「有害物質大幅カット」と記載されているものもありますが、紙巻タバコに含まれる化学物質は4,000種類。その内有害物質200種類以上、発がん物質は50種類以上と言われており、そのすべてが低減されているわけではありません。依存性物質も含まれており、禁断症状は同じです。
煙が少ないため、周辺の人への害が少ないと思われがちですが、特殊なレーザーを照射すると大量の「目には見えにくい煙(エアロゾル)」が出ていることがわかります。IQOSを吸っている人の息に含まれるエアロゾル粒子(PM2.5)は、約3mまで飛散することが明らかになっています。周辺の人が気を付けないため、より受動喫煙の機会が増えることが懸念されています。
加熱式タバコクイズ
Q.アメリカにあるF社が加販売している加熱式たばこIはアメリカでも販売している?
Ans.×
米食品医薬品局(FDA)が認可していないため、販売していません。2015年にF社が提出した資料によると、健康に対する潜在的に害を及ぼす可能性のある24のバイオマーカーの内、23のデータにおいて、紙巻たばことIQOSの間に統計的優位差がなく、健康に害を及ぼす可能性が高いためです。アメリカは、すべての「加熱式」たばこの販売が認められていません。
学童向け防煙教室を実施しました!
平成30年1月27日に、学童保育利用の親子を対象に防煙教室を実施しました。講師として、機能病院で禁煙外来などに携わる日本禁煙学会認定専門看護師藤本恵子先生をお招きし、約30名の親子が楽しみながらタバコの害について学びました。
子どもたちは、タバコの煙がとけた水のにおいをかいで、「臭い!」と素直な表情をみせました。人間の血管と構造が似ているミミズにタバコの煙がとけた水をかけると、ミミズが細く細く伸び、ギュッと縮む様子を興味深々にみていました。これが人の血管で起きると血液の流れが悪くなり必要な栄養がいきわたらず、血管自体も傷んでしまうことを学習することが印象深く学習できました。
「なぜ、害があるとわかっているタバコを吸い続けてしまうのか?」についてわかりやすく説明され、実際にたばこを勧められた時にどうやって断るかという実演体験も行いました。
参加した小学生からは、「たばこを吸うと、体に悪いことがわかったので吸いません。」という感想が聞かれました。初めから「吸わないこと」を選択する子どもたちが増えるように、知識の啓発が必要です。今後も小中学生向け防煙教室を随時開催予定です。
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