CKD(慢性腎臓病)を予防しましょう
CKD(慢性腎臓病)は、自覚症状がほとんどなく、自分には関係がない病気と思ってしまいがちです。しかし、2024年のCKD推計患者数は2,000万人いると言われています。「成人の5人に1人」の割合であり、2005年のCKD推計患者数1,330万人(8人に1人)から大幅に増加しています。
2022年の熊本県の慢性透析患者数は全国2位となっており、患者数が多いことが分かります。しかし、新規透析患者数は減少傾向で予防の効果が考えられます。
CKD(慢性腎臓病)とは
腎臓の働き(eGFR※)が60未満に低下するか、蛋白尿が出るといった状態が
3か月以上持続する場合、「慢性腎臓病(CKD)」の可能性があります。
※eGFR(推定糸球体ろ過量)とは・・・
腎臓が体の外に老廃物を出す能力のこと。血液検査の血清クレアチニンの数値、性別、年齢で推移され、その値を言います。
【CKDの定義】
次の(1)、(2)のいずれか、または両方が3か月を超えて持続することで診断されます
(1)尿異常、画像診断、血液検査、病理診断で腎障害の存在が明らか、特に0.15g/gCr以上の蛋白尿(3mg/gCr以上のアルブミン尿)の存在
(2)eGFR<60ml/分/1.73m2
腎臓ってどこにある?
腎臓は背中側の両側に腰の上、左右1個ずつあります。
そら豆の形で、にぎりこぶし大の大きさです。
1個の重さが約120グラムから150グラムで、腎臓は毛細血管の集まりです。
血液を「ろ過」して尿を作るフィルターの役目をしています。
CKDで腎臓が悪くなると、きちんと「ろ過」できずに、老廃物が体にたまったり、尿にたんぱくが出てしまいます。
腎臓の働き
- 血液をろ過して尿をつくる
- 老廃物や有機物質を尿として体外へ排出する
- 尿の量や濃度を調整することで体内の水分や塩分の調整を行う
- 血圧を調整するホルモンや血液を作るためのホルモンを分泌する
慢性腎臓病(CKD)を放置すると・・・
CKDを放置すると、人工透析や腎移植が必要になるばかりではなく、
心筋梗塞や脳卒中の危険が高まることが分かってきました。
自覚症状ではなかなか分かりません
CKDは、初期段階だと自覚症状がありません。
吐き気、体のだるさ、貧血、むくみなどの症状があらわれたときは、すでに病状が進行していることが考えられます。
どうしたらCKDに気付く?
CKDの早期発見には尿や血液検査がポイントになります。
定期的な健診が、症状の出ないCKDに気付くカギです。年に1度は健診を受診しましょう。
健診結果のどこを見たらいい?
健診結果をお持ちの場合、次の項目を確認してみてください。
検査項目 | 基準値 | 要注意 |
尿蛋白 | - | ±、+、++ |
尿潜血 | -、± | +、++ |
尿蛋白の(±)以上は、腎臓からのSOSです。医療機関を受診しましょう。
検査項目 | 基準値 | 要注意 |
血清クレアチニン | 男:〜1.0mg/dl 女:〜0.mg/dl | 男:1.1以上 女:0.8以上 |
eGFR | 60以上 | 60未満 |
eGFR60未満は医療機関の受診を。
腎機能のステージとは
eGFR(推定糸球体ろ過量)とは、腎機能の状況を推算したものです。
年齢とともに低下していきますが、90以上を正常と考えてどれくらい腎臓が機能しているかが分かります。
eGFR | 腎臓の働き | アドバイス |
90以上 | 正常 | 年に1度は健診を受けましょう |
89から60 | 腎機能がやや低下 | 年に1度は健診を受けましょう |
59から30 | 腎機能が半分程度低下 | 腎専門医を受診しましょう |
29から15 | 腎機能が大きく低下 | 腎専門医を受診しましょう |
15未満 | 腎不全 (人工透析が必要な場合があります) | 腎専門医を受診しましょう |
腎臓の機能を保つためには
腎臓をいたわるポイント
次のポイントに注意しましょう。
ご自身の健診結果で、気になる場合は、かかりつけ医や保健センターの保健師、管理栄養士にお気軽にご相談ください。
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