令和4年8月27日(土曜日)、玉名市草枕交流館と草枕ファン倶楽部の15周年記念事業として、「草枕ファンの集い」が開催されました。

第一部　「姜尚中氏基調講演」

熊本県立劇場館長の姜尚中氏が「逆境を凌ぐ漱石の言葉―コロナの時代に生きる」と題して講演されました。姜尚中氏は漱石が訪れた小天温泉は桃源郷であった。また、草枕を読み解くキーワードに、人の悲しみに思いを寄せる「憐れ」という心情を挙げ、漱石は『草枕』で、桃源郷は人の心の中にあると表現したかったのではないか、新型コロナウイルス禍で逆境にある日本にとって非常に示唆的との話をされました。

第二部　「トークショー」

草枕交流館歴代館長らと姜氏が草枕の世界観や魅力についてパネル討論をしました。トークのまとめとして姜氏から、日本ではローカルなことも世界に通じる。そういうものが『草枕』の中にある。大切なことは、小さな町でも、やり方次第では世界の冠たるものになり得るということ。規模は小さくても、そこに物語があることによって格別な場所になっていく。『草枕』の風景は宝だと思って、これからも頑張っていただきたいとの言葉をいただきました。

その他、漱石や草枕交流館・草枕ファン倶楽部の足跡・草枕レシピなどを紹介するパネル展示もありました。