防災コラム その7
玉名市防災コラム
「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉をご存知の方も多いと思います。災害はその恐ろしさを忘れた頃に、また起こるものであるという戒めの言葉です。
今年6月18日、大阪北部で最大震度6弱の地震が発生しました。地震の発生確率が比較的低い地域で起こった地震でした。ブロック塀の倒壊をはじめ、家具の転倒により数名の方が亡くなりました。また、地震発生が朝の通勤時間帯と重なったため、帰宅困難者が多数発生し、エレベーターに閉じ込められるケースも見られ、大パニックとなりました。
地震は大雨や台風と異なり、事前に知ることができないため、地震による被害を完全に防ぐことはできません。しかし、対応や備えにより、その被害を少なくすることはできます。
今回のコラムでは、もし地震が起こった場合どう対応すべきか、あるいは地震が起きる前の備えについて考えたいと思います。
第7回「天災は忘れたころにやってくる」
地震が起きたとき、あなたはどこにいますか?
(1)自宅にいる場合
- 寝ている時:揺れで目が覚めたら、布団に潜り込むか、ベッドの下などに入って身の安全を確保します。暗闇では割れたガラスや照明器具の破片でケガをしやすいので、日頃から枕元に厚手の靴下や靴をおいておきましょう。
- お風呂やトイレにいる時:揺れを感じたら、ドアを開けて避難路を確保し、揺れが収まるのを待ちます。タイルや鏡などが落ちてくることがあるので、いざという時は、風呂のふたなどを被り、頭を守りましょう。
- キッチンにいる時:慌てて火を消しに行くと、調理器具が落ちてきて火傷などの危険があるため、揺れが収まるのを待ちます。コンロなどのガス機器の火は揺れが収まってから消しましょう。
(2)職場にいる場合
キャビネットや棚、ロッカー、コピー機などから離れ、頭を守るため、机の下に隠れるなど身を守ります。窓ガラスが割れることがあるので、窓際からは離れます。外へ逃げるときは落下物に注意し、エレベーターは使用しないようにしましょう。
(3)学校にいる場合
教室の中では机の下に潜って落下物などから身を守ります。慌てて外に飛び出すと、かえって危険です。廊下や運動場、体育館などでは、中央部に集まってしゃがみましょう。通学路が危険なこともあるので、勝手に帰宅しないようにしましょう。
(4)屋外にいる場合
- オフィス街や繁華街にいる時:窓ガラスや外壁、看板などが落下してくる危険性があります。かばんなどで頭を保護し、できるだけ建物から離れましょう。
- 住宅街にいる時:住宅地の路地にあるブロック塀や石塀は、強い揺れで倒れる危険があります。揺れを感じたら塀から離れましょう。電柱や自動販売機の倒壊、屋根瓦やエアコンの室外機、ガーデニング用のプランターなどの落下など、頭の上にも注意が必要です。強い揺れでは、住宅の倒壊、これに伴う瓦礫・窓ガラスが道路内に散乱することもあるため、揺れを感じたら周辺状況に注意しましょう。
(5)車などに乗っている場合
車に乗っている時:急ブレーキは禁物です。ゆっくりスピードを落とし、道路の左肩に車を止め、エンジンを切ります。揺れが収まるまでは車外に出ず、カーラジオなどから情報収集します。避難が必要な場合は、車のキーを付けたままドアをロックせず、避難します。
(6)エレベーターに乗っている場合
エレベーターに乗っている時:扉が開いているなら、すぐに降ります。エレベーターの中で地震にあった場合は、すべての階のボタンを押し、停止したらすぐ降りましょう。エレベーターに閉じ込められたら、非常ボタンや緊急用インターホンで係員に連絡し、その指示に従って下さい。
このほかの場所で地震があったときの対処法は、「消防庁 防災マニュアル-地震対策啓発資料」などで確認することができます。
揺れが収まったとき、あなたはどうしますか?
(1)揺れが収まった場合
揺れが収まったら、周辺状況を確認し、閉じ込められたり、ケガをしている人がいないか確認しましょう。慌てて行動すると、転倒した家具や飛び散ったガラスの破片でケガをする恐れがあります。ケガをしないように家の中でも靴を履くと安全です。避難するときには、ガスの元栓を閉め、ブレーカーを落とします。ブレーカーを落としていないと電気が復旧した時に火災が起きることがあります(通電火災)。
職場や学校など外出先で地震に遭った場合は、十分な情報がない状態で移動を開始すると大変危険です。まずは職場や学校、近くの一時避難場所など安全な場所に留まり、帰り道の安全が確認できてから、帰宅しましょう。
(2)避難判断に際して
近所で火災が発生し燃え広がる危険を感じたり、建物の被害状況(柱・壁のヒビや傾きなど)を見て少しでも不安を感じたら、すぐに建物から出て安全な場所に避難します。海岸や川沿いの地域では津波の危険がありますので、すぐに高台に避難しましょう。
災害時にはデマが飛び交いがちです。テレビやラジオ、市役所からの情報に注意し、正しい状況の把握に努めましょう。
(3)倒れた家具をすぐに元に戻さない
倒れた家具をすぐに元に戻すと、余震などの大きな揺れで再び転倒することがあり大変危険です。倒れた家具を元に戻す場合は、固定や転倒対策を行い、棚やタンスの上に物を置かないようにします。すぐに対策ができない場合は、倒れる家具がない部屋を確保し、そこで寝ることや、出入り口など避難の妨げになる場所を避けて配置するなどしましょう。
事前の備え
震度6強以上の揺れでは、立っていることができなくなり、はわないと動けません。直下型地震では揺れ始めるとすぐに激しい揺れになり、何もできなくなります。
地震時に、建物や家具の下敷きにならないように、古い家の耐震補強(特に昭和56年以前に建設された木造住宅)や家具の固定・転倒防止、ガラスに飛散防止フィルムを貼るなどの対策をしておきましょう。
地震のような突然の災害では、情報収集や家族との連絡に、スマートフォンや携帯電話が必須アイテムとなります。いざという時にバッテリー切れにならないよう、モバイルバッテリーや乾電池充電器の携帯、外出前に充電しておくなど、備えておきましょう。
今月のプラスアルファ
家族の安否確認
- 職場や学校など、家族が離れ離れの状態で災害に遭った時のために、日頃から家族との安否確認や連絡方法、避難場所を決めておきましょう。
- 揺れの強い地域やその周辺では、電話がつながりにくくなるため、安否確認には「災害用伝言ダイヤル(171)」などのサービスを利用しましょう。離れた場所に住む家族や親戚の家を連絡先にして、家族の安否確認や連絡をとる方法もあります。
- 災害用伝言ダイヤルや災害用伝言版の使い方は、「玉名市 地震防災マップ」に詳しく掲載しています。
- 災害用伝言ダイヤルは、体験利用日が設定されていますので、家族で体験してみてください。
災害用伝言サービスの体験利用日
- 毎月1日、15日
- 正月三が日(1月1日〜3日)
- 防災とボランティア週間(1月15日〜21日)
- 防災週間(8月30日〜9月5日)
誰でも出来るわが家の耐震診断
- 昭和56年5月31日以前に建設された一戸建て木造住宅を対象とした「誰でもできるわが家の耐震診断」リーフレットが(財)日本建築防災協会より発行されています。
- 希望者には、玉名市役所営繕課および各支所市民生活課窓口で配布しています。日本建築防災協会のホームページでは、耐震診断に関する情報閲覧ができます。(財)日本建築防災協会のホームページ
熊本県による戸建木造住宅の耐震診断
熊本県では、大地震に備え、県民の皆さんが安心して住み続けられる住まいの確保を図るため、戸建木造住宅の耐震診断を実施しています。
対象は、県内の戸建て木造住宅(熊本市を除く)で、昭和56年5月31日までに工事に着手した住宅、または熊本地震で被害を受けた住宅(※熊本地震による被害については、り災証明書が必要)となります。
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