防災コラム その9
玉名市防災コラム
秋・冬は空気が乾燥し、火災が発生しやすい季節です。暖房器具などを使う頻度も多くなるため、火気の取り扱いには十分注意が必要です。また、火災の原因は身近なところに潜んでいることが多く、家族、地域ぐるみで防火意識を高めることが重要です。
今回のコラムでは、火災の原因を知り、出火原因を作らないために私たちに何が出来るのか、万が一火事にあったときにどのような行動をとればよいのかについてご紹介します。
第9回「乾燥した季節にご用心」
出火原因ランキングの現状
全国では、毎年3万件以上の火災が発生しています。その結果、死者は毎年1,500〜2,000人前後出ているのが現状です。出火原因は多い順に、タバコ、放火、コンロ。熊本県内を見ると、平成28年に597件の火災が発生し、出火原因は多い順に、たき火、火入れ、コンロとなっています。
また、住宅火災の原因には、上記のほか、電灯・電話等の配線、電気機器などが加わります。その他事例としては、こたつの暖房部分に洋服などが近づいて発火した例や、落雷による火災などがあります。出火原因は、私たちの身近なところに潜んでいます。
まだ記憶に新しい新潟県糸魚川市の大規模火災では
平成28年12月22日に発生したこの火災は約30時間燃え続け、全焼120棟、半焼5棟、部分焼22棟もの住宅等を消失しました。出火原因は、ラーメン店の大型コンロの消し忘れでした。火元となったラーメン店周辺は、昭和初期の木造建築物が密集している商店街を含む地域で、当日は山風がいつもより強かったため、大量の火の粉や燃えさしが飛散し、風下の木造建築物へ飛び火したことが大規模火災につながった原因と考えられています。本市においても、糸魚川市と地形的に似ているところが多く、他人事ではありません。
私たちにできること(出火原因を作らない)
- 寝タバコは、絶対やめましょう。
- ストーブ等の周りに、燃えやすいものを置かないようにしましょう。
- コンロのそばを離れるときは必ず火を消しましょう。IHクッキングヒーターでも少量の天ぷら油から火災につながる危険があります。
- プラグやコンセントはホコリがたまらないよう、きれいに保ちましょう。ホコリや湿気が原因で出火することがあります。
- 逃げ遅れを防ぐために、住宅用火災警報器を取り付けましょう。住宅火災による死者の約6割は逃げ遅れによるものです。
- 寝具や衣類、カーテンからの火災を防ぐために、防炎品を使用することも有効です。
- 火災を小さいうちに消すために、住宅用消火器等を設置しましょう。
- お年寄りや身体の不自由な人を守るために、家族、地域ぐるみで防火意識を高めることが重要です。
- 電気火災に注意しましょう。
電気火災対策
東日本大震災時における出火原因の大半は、電気関係によるものでした。電気関係の火災は、地震の揺れによる電気機器出火と、停電が復旧したときに発生する火災(通電火災)があります。
このうち、通電火災を防ぐには、避難する前にブレーカーを落とすことですが、事前対策としては感電ブレーカーが効果的です。感電ブレーカーは、設定値以上の揺れを感知すると、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める機器で、分電盤タイプ(内蔵型、後付型)、コンセントタイプ、簡易タイプがあります。
感電ブレーカーの種類や留意点は内閣府のホームページで確認できます。
内閣府ホームページ掲載PDFファイル「ご存じですか?地震による火災の過半数は電気が原因という事実。」は以下のリンクよりご覧いただけます。
http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/denkikasaitaisaku/pdf/denkikasaitirashi_201702.pdf
もし、火災にあってしまったら(初期消火が大事)
- 早く知らせる:火災になったら、大声で「火事だ!」と叫び、近隣に知らせましょう。声がでないときは、非常ベルを鳴らす、やかんなど音がでるものを叩きます。火はすぐに大きくなります。小さな火でも消防車を呼ぶことが大切です。
- 早く消火する:火が小さいうちに落ち着いて消火しましょう。火が横に広がっているうちは、消火は可能です。消火器だけに頼らず、座布団で火を叩く、塗れた毛布で火を覆うなど、身の回りのものも活用しましょう。
- 早く逃げる:天井に火が燃え移ったら、迷わず逃げましょう。避難するときは、扉や窓を閉めて、空気が入らないようにすることも重要です。
煙を吸い込まないように
火災で恐ろしいのは、煙です。煙には一酸化炭素などの有毒ガスが含まれているため、多量に吸い込んだ場合、身体が麻痺するなど動けなくなったり、中毒死することもあります。
火災で熱せられた煙が、横方向に広がる速さは、秒速でおよそ1m程度(人の歩き速さくらい)です。縦方向に上る速さは、秒速でおよそ3〜5m程度にもなり、あっという間に煙が迫ってくるので、階段等では特に注意が必要です。
避難するときは、次の行動をとりましょう。
- 煙を吸い込まないように、口と鼻をハンカチなどで覆う
- 姿勢を低くして避難
- 煙が追いかけてこないようにドアを閉める
- 最後に、いったん避難したら絶対に戻らない
今月のプラスアルファ
動画で火災を知る
消防庁ホームページでは、火災から身を守るために動画等を公開しています。暖房器具火災、電気器具火災、コンロ火災、地震火災から身を守る方法、消火器の使い方などを確認することができます。
消防庁ホームページは以下のリンクからアクセスできます。
http://www.fdma.go.jp/html/life/yobou_contents/materials/index.html
火元別の消火方法
- ストーブ:消火器を直接火元に向けて噴射します。石油ストーブは粉末消火器を使用してください。消火器がないときは、シーツや毛布など濡らして手前から滑らせるように被せ、空気を遮断します。
- 電気器具:いきなり水をかけると感電の恐れがあるため、コンセントやブレーカーを切り、粉末消火器を使用します。泡消火器は感電の恐れがあります。
- カーテン等:カーテンは燃え広がらないよう、引きちぎってから消火します。ふすまや障子はけり倒し、足で踏んで消します。その後、水をかけて消火します。
- コンロ:粉末消火器は離れた位置から鍋の全面を覆うように、強化液消火器は鍋の縁にむけ噴射します。消火器がないときは、シーツやバスタオルを濡らして手前から被せ、空気を遮断します。なお、油鍋には、水やマヨネーズ、野菜を入れるのは厳禁です。
- 衣類:着衣に火が付いたときは転げ回って火を消します。風呂の残り湯があるときは浴槽に飛び込みましょう。
- たき火:消火器を使いましょう。消火器がないときは水をかけます。すぐに水がないときは、ほうきや木で叩いて消火し、その後水をしっかりかけます。
インフルエンザにご注意を
- 空気が乾燥する季節は、火災だけでなく、インフルエンザにも注意が必要です。
- 例年12月〜3月が流行シーズンで、この時期に多くの患者が発生し、高齢者や免疫力の低下している方は肺炎を伴って重症化することもあります。
- インフルエンザの予防のために、流行前のワクチン接種、咳やクシャミがでるときはマスクをする、外出後の手洗い、室内では適切な湿度(50〜60%)を保つ、十分な休息とバランスのとれた食事を心掛ける、インフルエンザの流行時には人混みや繁華街への外出を控えることが重要です。
- インフルエンザにかかったかも?と思ったら、無理して学校や職場等に行かず、早めに医療機関を受診しましょう。
- 玉名市では、乳幼児や65歳以上の高齢者等を対象に、インフルエンザの予防接種費用を助成しています。詳しくは、玉名市ホームページ内の記事(下記のリンク先)でご確認ください。
https://www.city.tamana.lg.jp/q/aview/302/1036.html
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