繁根木に眠る5世紀の王は大量・多彩な武器と金の耳飾りを持っていた。
繁根木に眠る五世紀の王は大量・多彩な武器と金の耳飾りを持っていた。
玉名市指定史跡 伝左山古墳
繁根木にある伝左山古墳(サイト内リンク)は、今から1500年以上前、5世紀の後半に築かれた地域の支配者のお墓です。直径約35メートル、高さ約5メートルもの大きさがあり、石を積み上げて造られたドーム型の石室と、石をくり抜いて造られた舟形石棺に複数の遺体が納められていました。
埋葬された人物は質・量とも県内トップクラスの武器を持ち、軍事的活動に関与しながらヤマト政権との政治的な繋がりも持つ有力者だったと考えられます。朝鮮半島製の金の耳飾りと大刀もあり、海を越えた広範な活動もうかがわれます。古墳は江戸時代に偶然発見された後、祠が建てられ、現在まで大切に守られてきました。数度にわたって出土した副葬品は、その重要さから東京国立博物館(外部リンク)や熊本博物館に収蔵されることに。両館では現在も展示され、多くの人の目に触れています。
過去の企画展 (サイト内リンク)のポスター。遺体が納められていた古墳内部の石室は、先進的な構造で壁面は真っ赤に塗られている。石室、石棺ともに埋め戻されており、現地での見学はできません。
鉄製のよろい(鋲留短甲)(熊本博物館蔵)
大刀と朝鮮半島製の素環頭大刀(歴史博物館こころピア蔵)
ガラスや碧玉製の首飾り(歴史博物館こころピア蔵)
金の耳飾り(東京国立博物館蔵)
副葬品の写真や古墳の概要をまとめた『伝左山古墳出土品図録』を歴史博物館こころピアで販売中。
伝左山古墳の出土品が展示されています!
熊本市立熊本博物館
伝左山古墳から出土した甲冑(短甲・脛当て)と貝釧(貝の腕輪)は昨年12月にリニューアルオープンした熊本博物館で常設展示中です。さらに、岱明町開田にかつて存在した前方後円墳「院塚古墳」の舟形石棺出土の銅鏡や、繁根木の第1保育所前にあった箱式石棺(繁根木古墳)出土の銅鏡も展示されています。
明治時代に出土した伝左山古墳の副葬品は、熊本城保存顕彰会や熊本大学の所蔵となり、その後熊本博物館に寄託されて現在にいたっています。
引用元:「繁根木に眠る五世紀の王は大量・多彩な武器と金の耳飾りを持っていた」『広報たまな』平成31年2月号抜粋(PDF 約320KB)
※本ページは上記記事を元に加筆・修正して作成しました。解説役の人物の年齢・肩書きは平成31年2月1日現在のものです。
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