令和5年10月29日(日曜日)に開催された短歌大会の結果は以下のとおりです。(敬称略)

選者の部

玉名市長賞

地球儀を右へひだりへ回せども  まはせどウクライナはロシアのとなり      松永祥子

(ちきゅうぎをみぎへひだりへまはせども  まはせどうくらいなはろしあのとなり      まつながさちこ)

玉名市教育長賞

百ほどの朝顔しぼむ昼どきの  明日を待ちいる蕾たくまし      山口幹雄

(ひゃくほどのあさがおしぼむひるどきの  あすをまちいるつぼみたくまし      やまぐちみきお)

玉名市文化協会長賞

哀楽の薄れてゆくに気づいてか  息子はサザエさんの漫画を吾が手にのせる      高村智惠子

(あいらくのうすれてゆくにきづいてか  こはさざえさんのまんがをあがてにのせる      たかむらちえこ)

選者選入賞

父逝きし年齢に近づき終活す  使うことなき父の時計も      野添由美子

(ちちゆきしとしにちかづきしゅうかつす  つかうことなきちちのとけいも      のぞえゆみこ)

夕暮れの電車の中に隣り合う  高校男子の熱き太腿      多久浩子

(ゆうぐれのでんしゃのなかにとなりあう  こうこうだんしのあつきふともも      たくひろこ)

爺ちゃんの生まれかはりと孫の言ふ  夫逝き十日目迷ひ来し猫を      清田綾子

(じいちゃんのうまれかはりとまごのいふ  つまゆきとおかめまよひきしねこを      きよたあやこ)

互選入賞    (他の入賞歌との重複を除く)

朽ち果てし神社の椋の根元より  太き若芽が生き嗣ぎており      坂本正司

(くちはてしじんじゃのむくのねもとより  ふときわかめがいきつぎており      さかもとまさし)

ほつほつと竹馬の友の逝くなかに  改めて識る空の青さを      木下順稔

(ほつほつとちくばのとものゆくなかに  あらためてしるそらのあおさを      きのしたのぶとし)