男女共同参画社会をめざして VOL.9
M字カーブを知っていますか?
日本は、女性が働きにくい社会だといわれています。図1は、日本の女性の年齢ごとの人口に対する労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)を表した「M字カーブ」という曲線です。労働力人口とは、満15歳以上の人口のうち、働く意思と能力を持つ人口のことで、就業者・休業者・完全失業者の合計を指します。(資料出所:総務省統計局「労働力調査」より)
女性の年齢階級別労働力率
総務省統計局(労働力調査)(平成12年、21年、22年)
15歳から19歳
- 平成22年 15.9パーセント
- 平成21年 16.2パーセント
- 平成12年 16.6パーセント
20歳から24歳
- 平成22年 69.4パーセント
- 平成21年 70.2パーセント
- 平成12年 72.7パーセント
25歳から29歳
- 平成22年 77.1パーセント
- 平成21年 77.2パーセント
- 平成12年 69.9パーセント
30歳から34歳
- 平成22年 67.6パーセント
- 平成21年 67.2パーセント
- 平成12年 57.1パーセント
34歳から39歳
- 平成22年 66.2パーセント
- 平成21年 65.5パーセント
- 平成12年 61.4パーセント
40歳から44歳
- 平成22年 71.6パーセント
- 平成21年 71.7パーセント
- 平成12年 69.3パーセント
45歳から49歳
- 平成22年 75.8パーセント
- 平成21年 75.3パーセント
- 平成12年 71.8パーセント
50歳から54歳
- 平成22年 72.8パーセント
- 平成21年 72.5パーセント
- 平成12年 68.2パーセント
55歳から59歳
- 平成22年 63.3パーセント
- 平成21年 62.5パーセント
- 平成12年 58.7パーセント
60歳から64歳
- 平成22年 45.7パーセント
- 平成21年 44.6パーセント
- 平成12年 39.5パーセント
65歳以上
- 平成22年 13.3パーセント
- 平成21年 14.4パーセント
- 平成12年 13.1パーセント
日本のM字カーブが示すものは・・・
日本では女性の年齢階級別労働力率が、図のようにM字カーブを描くのが特徴的で、結婚や出産・育児をきっかけに仕事を辞める女性が多くなっています。近年の晩婚化や女性の高学歴化でM字の底の部分が移動していますが、30歳代前半が底になり30代後半から40代にかけて、出産や育児が落ち着き再び就労する女性が増えます。しかし、その大部分はパートなどの非正規雇用で働く女性が多く、男女間での年収格差が目立ちます。
また、結婚後の出産・子育ての期間も続けて働きたい意思はあっても、子育て支援の体制が整っていないなどの理由で働けない女性が多い日本は、働き方の多様性や柔軟性が少ない社会といえます。
対照的に、保育施設が充実している北欧諸国などでは、出産・育児期の落ち込みはなく、台形のカーブを描いています。かつては日本と同じように、M字カーブを描いていた北欧の国々でも、現在はM字の凹みが解消して仕事と家庭の両立が実現し、少子化にも歯止めがかかっています。そのため、欧米諸国の多くは日本よりも出生率が高くなっています。
男女がともに働きやすい社会へ
日本社会は、「女性の仕事は補助的なもの」という根強い性別役割分業意識があります。男女がともに働きやすい社会をつくることが、今後の日本社会の大きな課題といえます。
カテゴリ内 他の記事
- 2024年10月30日 DVって?
- 2025年5月9日 パレア男女共同参画週間イラスト展作品募集...
- 2024年12月17日 玉名市男女共同参画審議会
- 2024年12月11日 第4次男玉名市女共同参画計画事業実施報告
- 2024年12月2日 女性人材リスト登録者募集
- 2024年6月20日 男女共同参画社会をめざして VOL.50 もしか...
- 2024年6月20日 これもデートDVなの? 恋人間に起こる身近な...