帯状疱疹の症状とその予防について
帯状疱疹とは
帯状疱疹とは、体内に潜んでいる水痘(水ぼうそう)・帯状疱疹ウイルスによって発症します。子どもの頃に水痘にかかった後もウイルスが体内に潜伏し、加齢・疲労・ストレスなどで、免疫力が低下すると再び活性化し、帯状疱疹として発症します。帯状疱疹の発症は50歳以上に多く、約7割を占めています。加齢による免疫力の低下が原因と考えられています。毎年約60万人が発症し、80歳までに約3人に1人が経験すると想定されています。
症状
主な症状は、皮膚の違和感や痛みで体の左右のどちらか片側の神経に沿って起こります。数日後にはピリピリ感・痛みのある部位に発疹が現れます。発疹は徐々に広がっていき、やがて水泡(水ぶくれ)に変化します。水泡は時間の経過で破かれてかさぶたとなり治癒します。皮膚の症状が元に戻るまでには3週間から1か月ほど要します。
また、帯状疱疹は合併症を伴うこともあり、50歳以上で帯状疱疹を発症した人の約2割は皮膚症状が治まった後も、長期間にわたって痛みが続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」に移行するといわれています。
治療
抗ウイルス薬を投与することにより、痛みの期間の短縮、発疹の発生抑制、皮膚症状の治癒を促す効果が得られます。十分な治癒効果を得るためには、発症後速やか(発疹が現れてから3日以内)に投与を開始することが望ましいとされていますので、症状が現れた際には早めに医療機関を受診しましょう。
帯状疱疹の予防
免疫の低下が帯状疱疹につながることから、日ごろからの体調管理が大切です。日頃のバランスのとれた食事や、適度な運動、適切な睡眠を心がけましょう。
帯状疱疹ワクチン(任意接種)
帯状疱疹ワクチンは発症を抑制し、重症化や後遺症の予防につながるとされています。
帯状疱疹に効果のあるワクチンは現在2種類あります。
項目 | 乾燥弱毒生水痘ワクチン | 乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン |
---|---|---|
対象者 | 50歳以上の者 | 50歳以上の者 帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者 |
接種回数 | 1回 | 2回 標準的には1回目の接種から2か月の間隔をおいて2回目の接種を行う |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
接種費用 | 7,000円から10,000円程度 | 20,000円から30,000円程度(1回) |
副反応等 | 注射部位の赤み、かゆみ、痛み、腫れ、発疹など | 注射部位の赤み、痛み、腫れ、筋肉痛、頭痛など |
50歳以上は帯状疱疹の発症率が高くなる傾向がありますので、予防接種は帯状疱疹を発症しないための選択肢の1つになりますが、発症を完全に防ぐものではありません。接種を希望する人は、ワクチンの種類を含め、かかりつけ医にご相談ください。
帯状疱疹は任意接種のため、接種費用は全額自己負担になります。
健康被害の救済制度
万が一、この予防接種を受け、重篤な健康被害が発生し、認定された場合には独立行政法人医薬品医療機器総合機構法の規定に基づき、健康被害に対する給付が行われます。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 医薬品副作用被害救済制度(外部リンク)カテゴリ内 他の記事
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