木造阿弥陀三尊像 附 転法輪堂扁額
更新日:2024年4月22日
木造阿弥陀三尊像
木造阿弥陀三尊像 附 転法輪堂扁額(もくぞうあみださんそんぞう つけたり てんぽうりんどうへんがく)
【種別】玉名市指定重要有形文化財(彫刻)
【指定年月日】令和6年3月26日
【所有者】民間団体
【内容・特徴】
本三尊像は、阿弥陀如来坐像1躯と菩薩形立像2躯で構成されています。いずれも体内銘がなく仏師名や奉納の経緯は不明ですが、その様式および構造の特徴から室町時代の院派仏師の作と考えられます。また、三尊を納めた厨子底面の墨書銘「文化五戊辰四月再興繁根木山豪潮記」から天台僧・豪潮によって文化5年(1808年)に本三尊像が修理されたことが分かります。阿弥陀如来の脇侍は、一般的には観音菩薩と勢至菩薩ですが、この脇侍は左右ともに宝冠に宝塔があしらわれており、尊名を断定することができません。
扁額はかつて存在した転法輪堂に掲げてあったもので、豪潮の作です。表面には盈仁(みちひと)親王から下賜された二大字「願王」が刻まれています。裏面には、阿弥陀如来像の由緒と文化2年(1805年)夏に扁額を転法輪堂に掲げたことを豪潮が記しています。
本三尊像は、阿弥陀如来という像種、脇侍の立像という形、いずれも院派が手掛けた仏像彫刻の中では稀有な作例であり、院派と浄土系寺院との関係を考察するうえでその存在意義は大きく、さらに緊張感を伴う面貌表現などから院派仏師の技量の高さがうかがえ、美術作品としての価値も高いものです。
【注意点】所有者の希望により原則非公開。
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