梵文宝篋印陀羅尼経
更新日:2009年4月1日
個人蔵
この陀羅尼経梵文は、文化13年(1817)、豪潮68歳の時に英彦山伊田氏の所望に応じて書き贈ったものです。
縦81.5センチ、横27.5センチの広さの絹地に淡墨で、10行275字の梵字が筆者豪潮の宝篋印陀羅尼の精神と書道芸術に透徹した境涯を如実に示すかのように、優美、かつ壮重に書き綴られています。
この陀羅尼は、豪潮が中国呉越王弘俶が阿育王の故事を追って金銅の八萬四千の塔をつくったことに傚い、宝篋印塔八万四千の建立を誓願して各地に造立し、塔心に経巻を納めた。その内の1つで英彦山伊田氏の求めに応じ書きおくった写経である。半淡墨で梵字の字体、運筆等に豪潮の気譜を伺い知ることが出来、又雄大なスケールの中に優美さを見現している。典籍ではあるが、豪潮の書の技法が活かされており、書跡として玉名の書道史上貴重なものである。
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