建長二年銘宝塔
更新日:2009年4月2日



員数:1基
所在地:玉名市山田字保多地628番
この塔は、建長2年(1250)、藤原太子供養のために建てられたものです。凝灰岩で造られた釣鐘型の塔婆が一基まつられています。主体塔身の高さ97センチ、直径73センチというほかに類を知らぬ巨大さを誇っています。俗に「虎御前の塔」といわれています。
この塔は、相輪と笠を失い現在塔身と基礎だけが残っている。塔身の上部には、穴を穿ち、塔身の首部には線刻で朱にて描かれています。塔身の軸部には、前面に扉形が線刻され、その中に宝塔の本尊である多宝如来と釈迦如来の二仏並座をあらわす種子である「ア」と「バク」を線刻した月輪の中に刻み、蓮華座を刻した上に配している。その彫りはするどく力強い薬研彫りです。また、軸部の後面には、雄健な楷書体で次のような銘文を刻み朱が入れてある。基礎はもと4個の石を用い一段式のものと考えられ、現在は2個しか残っていません。
塔身と基礎は凝灰岩でつくられ、塔身の大きさは、高さ97センチ、直径72.6センチ、首部の高さ18センチ、上部直径50センチ、穴の深さ15センチ、その直径17.8センチである。基礎の大きさは、69×69×25センチと64×61×24センチです。
この塔は、俗に虎御前の塔と呼ばれ、真偽は不明ですが、虎御前が曽我兄弟供養のために建立したと云われています。堂々とした塔身には損傷なく、しかも鎌倉の紀年銘が残っています。文献史料の少ない中世史を知る上で貴重な文化財です。

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