玉名の遺跡シリーズ21 「六反製鉄跡」
更新日:2025年3月11日
製鉄遺跡は県内に約60か所あり、そのうち半数以上が玉名郡の小岱山一帯に所在しています。律令期、玉名郡において勢力を保持していたのは郡司の日置氏でした。奈良時代後半以降の須恵器生産や鉄生産の展開と流通もこの日置氏の政治的・経済的背景があったと考えられています。
玉名市の六反製鉄跡は、昭和37年に発見され、炉跡が奇跡的に残っていました。「半地下式竪型炉」と呼ばれる炉で、類例はその後、玉東町でも確認されています。荒尾市では広範囲の本格的な発掘調査が実施されていますが、砂鉄を溶かす製鉄炉(製錬)や大鍛冶炉(精錬)、炭窯などが検出され、当時の「たたら場」の様子が浮かび上がってきています。現在、小岱山麓に分布するこれらの遺跡は「小岱山製鉄遺跡群」として県指定史跡となっており、九州最大規模の製鉄遺跡群となっているのです。
六反製鉄跡のリーフレットを作成しましたので下記添付資料をご覧ください。
たたら製鉄再現資料
参考文献
田邊哲夫「玉名地方製鉄の歴史的背景」『金山・樺製鉄遺跡群調査報告書』1992 荒尾市教育委員会
松本健郎「熊本県の製鉄遺跡」『金山・樺製鉄遺跡群調査報告書』1992 荒尾市教育委員会
勢田廣行「製鉄遺跡ー九州最大規模の製鉄遺跡群」『荒尾の文化遺産』(荒尾市史別編)2003 荒尾市
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