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令和2年6月定例会 招集あいさつ

更新日:2020年6月29日

 
令和2年6月1日(月曜日)

 皆さん、おはようございます。

 議員各位におかれましては、今期定例会の招集に対し、全員揃ってのご参集を賜り、誠にありがとうございます。

 「令和2年第4回玉名市議会(定例会)」の開会に当たり、招集のあいさつを申し上げます。

 まずもって、市議会におかれましては今期定例会も新型コロナウイルス感染防止に努めた議会運営にご配慮いただき、招集権者として感謝申し上げる次第であります。

 

 さて、全世界を巻き込み「100年に一度の危機」と言われる、新型コロナウイルスの感染拡大。感染確認は全世界で600万人を超え、死亡者数は約37万人にも上り、国内においても感染確認は1万6,800人を超え、死亡者数も890人を超えております。未だ世界の各地で続く感染拡大に、終息までの道筋は見通せない状況にあり、加えて、コロナの影響による経済的打撃は、今や2008年の「リーマンショック」を超え、1929年の「世界恐慌」以来の世界的金融危機といった、由々しき事態を引き起こしております。

 

 現在、中南米などの新興国で感染の蔓延が深刻化している一方、我が国においては、ご承知のとおり、5月の大型連休明け以降、4月7日に出された「緊急事態宣言」の解除を巡り、大きな動きがありました。まず、5月14日には、本県を含む39県で緊急事態宣言を前倒しで解除。翌週21日には、関西2府1県で緊急事態宣言を解除。さらに、その翌週25日には、残る北海道と関東1都3県で解除され、宣言期限の5月31日を待たずに全国で解除されるかたちとなったわけであります。およそ1カ月半ぶりに全国の解除宣言をできたことに対し、安倍首相は「罰則を伴う強制的な外出規制などを実施できない日本が、独自のやり方で今回の流行をほぼ 終息させることができ、『日本モデル』の力を示した」と述べた上で、外出自粛等のコロナ対策を徹底した全国民の協力と辛抱に、謝意を表しました。こうした自粛緩和の流れに、自粛による疲弊感、また閉塞感に満ちていた私たちの日常は、少しずつ明るさと活力、そして平穏を取り戻し始めている次第です。

 しかしながら、国内の流行が完全に終息したわけではなく、コロナウイルスは感染の脅威とともに、依然として、私たちの生活の中に存在したままです。現に、緊急事態宣言解除後、福岡県北九州市では新規感染者が相次いで確認され、まさに恐れていた「第2波」への危機感が急速に高まっています。福岡県と隣接する本県、特に「県北の玄関口」として新幹線新玉名駅を擁する本市としても看過できない状況にあり、本県への感染流入を警戒するとともに、流入抑止に最善を尽くしたい考えであります。

 

 また、先月27日、政府は新型コロナの感染拡大を受けた経済対策として、過去最大規模となる32兆円にも上る巨額な二次補正予算案を閣議決定。今月中旬の成立予定ですが、スピード感と実効性が強く問われる中、支援が必要な方々に対し、いかに早く、迅速に届けることができるかが課題となっております。特に、支援や対応の遅さに多くの国民が不満を抱えている要因として、現在、手続きの煩雑さが指摘されておりますが、その問題の解消には、簡素化した制度設計や、実態に即した臨機応変な対応が求められるほか、支援のスピード感と実効性を担保するには、やはり、マンパワーを投入すべく、大幅な人員の確保が急務になるものと受け止めております。

 

 続いて、本市の動向について述べますが、コロナの感染拡大は市民の皆様のご協力により抑制できているものの、地域経済の実情に目を向けますと、飲食店を初め、中小企業・個人事業者等はコロナの影響により、やはり大変厳しい経営状況に陥っております。また、急速に悪化した経営に、廃業を余儀なくされた事業者の方もあると聞き及んでおり、事態は想像以上に深刻な状態に置かれています。外出自粛要請 及び 休業要請の解除に伴い、玉名の夜にも店の灯りが戻り、人出は徐々に増えつつありますが、やはり「自粛の余韻」は大きく残っており、以前の客足が戻るまでは厳しい状況が続くものと懸念されます。感染拡大防止策の徹底を図りながらも、これからの社会活動の再開に拍車をかけ、自粛生活の長期化により冷え込んだ景気を早急に回復すべく、地域経済の再生と活性化が強く求められている次第です。とりわけ、緊急経済対策、景気浮揚策といった支援策を、スピード感をもって実行し、その効果を最大限に引き出していくことが、この局面を打開する非常に重要な術であると認識しております。

 

 支援策に関して、まずは全国民への支援策として給付が急がれます「特別定額給付金」の処理の進捗状況についてご報告いたしますが、既にご案内のとおり、5月1日から「オンライン申請分」の受け付けを先行して開始。また、5月14日には「郵送申請用書類」を発送し、21日から「郵送申請分」も受け付けを開始。続々と寄せられる大量の給付申請に対し迅速な給付を実現させるため、現在、庁内の各部局の枠を超えて多くの職員を動員。シフトを組み、昼夜を問わず、また、休日返上で申請書類の審査や振込データ入力作業等の業務に当たらせております。給付金の振り込みは、「オンライン申請分」を5月15日から、また「郵送申請分」を5月28日から開始。5月28日までに給付対象:約2万8千世帯のうち、およそ6割の世帯への給付を完了。さらに、今週中には7割近くの世帯への給付が完了する予定です。今後も、引き続き迅速な処理に努め、申請受付期限であります8月21日まで、全庁態勢にて、気を緩めることなく業務を遂行してまいる所存であります。

 また、コロナ関連の支援策が国や県において次々と打ち出される中、本市も独自の緊急経済対策をこれまでに第1弾・第2弾と打ち出しましたが、今期定例会では、まず、コロナ関連の支援策3事業を提案。さらに、国の二次補正に対応しながら、本市独自の緊急経済対策の第3弾以降を、準備が整い次第、早急に打ち出していく予定であります。今後も、国や県の動向を常に注視しながら、国や県が提示する支援の枠から漏れる部分があるならば、地方自治の最前線にて地域住民の福祉と暮らしを守る、私たち「市」が、そこをしっかりと見極め、漏れなく拾い上げる必要があるものと考えております。そこで、本市独自の更なる支援策を展開するための財源を確保すべく、現在、今年度に計画していた事業、大会、イベント等で中止を余儀なくされた、いわゆる不要額となる予算の早急な洗い出しを各部局に強く指示しているところであります。

 

 変わって、学校についてですが、いよいよ本日から通常登校による教育活動が再開されました。長期間に及ぶ登校自粛の間、感染防止のためとは言え保護者の皆様方には大変なご苦労とご負担をお掛けしたことかと存じます。また、保護者の中には「早期の学校再開を待ち望まれた方」、またその一方で「学校再開による感染リスクの高まりを心配される方」、双方の意見があるものと承知いたしております。

 加えて、休校の長期化による学習不足の打開策として、4月に政府が検討に着手した「9月入学」。しかしながら、「現状での導入は困難」との見方が広がり、来年の導入が見送られた現在、学校再開に際して、これまでの学習の遅れをいかに解消し、授業日数をいかに確保していくのか。また、感染予防の徹底を図る中で、政府が提唱する『新しい生活様式』に即した授業のあり方をどうかたちにし、実践していくのか。「学習不足問題の解決策」と「感染拡大予防策」の両立が求められる教育分野に課せられた課題は、非常に重く、難しいものがあります。ですが、コロナの影響により激変した教育環境の中、もうこれ以上、子どもたちに不利益を与えるわけにはいきません。子どもたちの学習機会と未来を守るためにも、熊本県及び近隣市町の教育委員会との連携を図りながら、最善の方法を模索し、課題解決に尽力したいと存じます。

 

 変わって、長期にわたる休館が続いた市内の公共施設につきましても、本日までに全施設が再開。これまで利用を希望されていた多くの皆様方に、長らくご不便を強いるかたちとなってしまいましたことを、この場を借りて、お詫び申し上げます。ただ、再開はしたものの、一部施設については利用制限が設けられ、国が示した方針に従い、感染防止策の徹底を図りながらの運営となりますことを、どうかご理解いただきたく存じます。

 また、多くの市民の皆様が完成を待ち望まれた「新玉名市民会館ホール」。中でも、この新ホールのオープンをほかの誰以上に一番楽しみにしていたのは、実は、私なのかもしれません。しかしながら、残念なことに、5月30日に予定していた「開館セレモニー」はコロナの影響により中止を余儀なくされ、晴れの日を彩ることなく、本日静かにそのオープンを迎えた次第です。また、オープンはしたものの、感染拡大防止のため、当面の間はやむなく休館としております。

 既にご覧になられたとおり、市役所本庁舎の向かい側に、高いデザイン性の外観を呈している新ホールですが、「広報たまな6月号」でご紹介のとおりホールの内観も大変素晴らしく、音響や照明はもちろん、トイレ等の設備も非常に充実した、優れた施設となっております。市民の皆様にもこの特別な感動を早く共有してほしいと思いながらも、未だご利用いただけないことが非常に残念でなりません。“市民が主役”をコンセプトに、「芸術の創造・発表・鑑賞・啓発の場」を構築できるようにと、よりグレードアップした「大ホール」。そして、賑わいの創出拠点として利用の多様性・汎用性に長けた「マルチホール」。手前味噌ながら、いずれのホールもこれから先、未来の長きにわたって、市民の皆様方の期待に応え得るホールになるものと、強く確信しております。でありますので、どうか、休館期間を終え、再オープンを迎えるその日を、心待ちにしていただきたく存じます。

 

 変わって、イベント関係について申し上げますが、全国的なところでは「夏の全国高校総体(通称:インターハイ)」が開催中止。また「全国高校野球選手権大会」は、「春の選抜」の中止に引き続き、「夏の甲子園」も中止され、戦後初の事態となっております。いずれも感染リスクが避けられないことや、長期休校に伴う練習不足からのケガが予想されるなど、選手・学生の安全面を第一に考慮し、中止の結論に至ったとされますが、青春の全てを捧げ、辛い練習に耐えてきた彼らの無念を思うと、やはり、言葉を失うしかありません。「どうか、目標を奪われた彼らの思いに報いる場を設けてあげてほしい」と、そう願うばかりであります。

 また、本市においてもコロナの影響から、主要なイベントが、相次いで開催の中止または延期を決定。この時期、例年多くの観光客で賑わいます、玉名の初夏の風物詩である「高瀬裏川花しょうぶまつり」。今回は、記念すべき第30回目の開催でありましたが、実行委員会で協議を重ねた結果、来年への開催延期を決断。そのほかにも、8月の「玉名納涼花火大会」、9月の「第75回熊本県民体育祭 荒尾玉名大会」、そして、今年度の「玉名市民音楽祭」。いずれも実行委員会による協議の結果、中止と結論づけられた次第です。それぞれの開催を楽しみにされていた多くの皆様方の期待に応えられず、大変申し訳なく感じている次第であります。

 

 以上、縷々述べてまいりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの生活は一変しました。依然として拡散を制御できないコロナとの共存を念頭にした「ウィズコロナ」、緊急事態宣言解除後の「アフターコロナ」、こう称される新しい時代に即した『新しい生活様式』が提唱されているように、私たちの世の中は「以前の日常」へ戻るのではなく、これから「新しい日常」へとシフトしていきます。

 今回、私たち行政の仕事のあり方も、在宅・分散勤務や、オンラインでのリモート会議、書面会議の導入など、それまでの常識が大きく覆されました。これらの取り組みは「ニューノーマル」、いわゆるコロナ時代の新常識として、今後定着していくものと思われます。このように、社会の仕組みが劇的に変化するのは、こうした世界的混乱に直面したときなのかもしれません。今回のコロナ危機を契機に、それまで当たり前とされていた観念や認識・思想、社会の価値観が革命的に変化をもたらす、いわゆる「パラダイムシフト」により、私たちの働き方やライフスタイルを中心に、本当に色んなものが、これから大きく変わっていくと思っています。

 コロナウイルスの第2波、第3波の襲来に備えた、人との接触回避を前提とした「新しい地域社会」の有りよう、「新しい地域経済」の有りよう、「新しい学校運営」の有りよう。そうした「新しい日常」のあり方が、ポストコロナの新常識として定着していく中、私たちに関わる「新しい行政運営」を一体どういうかたちで進めていくのか。緊急事態宣言が解除された今、まさに「新しい行政運営」の有りようを検討し、イメージする大切な時期だと捉えています。

 これから先の社会を見据えて、抜本的に行政のあり方を見直す、それを行う二度とないチャンスです。であるからこそ、私たち行政運営に携わる者は、今回のコロナ危機の経験を、困難や不幸と捉えるのではなく、「旧システムを解体し、新システムを創造する最大かつ絶好の機会」として、前向きに捉えなければならない。この、行政の「パラダイムシフト」こそ、コロナを経験した今の私たちにできる、かつ、やらなければならない一番大事なことであると、私は現在、そう部長たちに強く指示を出しています。

 どうか、議員各位におかれましても、この「新しい日常」に即した行政の「パラダイムシフト」、「新しい行政運営」のための抜本的改革に、ご理解・ご賛同を示していただきたく思いますとともに、私たちのこの取り組みに対し、並々ならぬご支援・ご協力を賜りますよう、強くお願い申し上げる次第であります。

 それでは、最後に今期定例会への提出議案ですが、補正予算7件、条例案件9件、人事案件5件、その他の事件3件、以上24件の議案を提出させていただいております。

 各種議案の内容につきましては、このあと提案理由説明の中で、それぞれ申し上げさせていただきます。

 今期定例会に提案の各種施策や案件、及び予算補正等の内容に対し、どうか十分にご審議いただき、いずれの議案も原案通りの決定を賜りますよう、よろしくお願い申し上げまして、開会に当たっての私のあいさつといたします。

 今期定例会も大変お世話になります。


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