令和6年6月議会 招集あいさつ
令和6年6月6日(木曜日)
おはようございます。令和6年第3回玉名市議会定例会の開催にあたり、議員の皆様におかれましては、御多忙の中、御出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
はじめに、今年も穏やかな天候というより、この時期にしては、やや暑く感じる中、玉名の初夏の訪れを告げる風物詩となっております「第32回高瀬裏川花しょうぶまつり」、そのメインイベントが5月25日開催され、昨年にも増して、多くの人出で賑わっておりました。
心地よい風を感じる夕涼みのなか、60本もの矢旗が勇壮に立ち並び、石橋や石垣が風情をもたらす高瀬裏川一帯に、紫や白い花しょうぶが咲き誇り、ライトアップされた幻想的で情緒あふれる風景は、私も含めて、市内外からお越しいただいた、多くの皆様も十分にご堪能いただけたことというふうに思います。
これからも、高瀬裏川が市民の皆様の憩いの場として、さらには安らぎを与える場所として、そして本まつりが、しっかりと後世に受け継がれ、末永く愛され続けることを切に願うところでございます。
また、メインイベントに合わせて、本市の市街地循環路線を運行する2台のバスを無料開放する「循環バス無料の日」を実施いたしました。未利用者への乗車機会を作ることで、実際の乗車体験からその利便性を感じていただき、日常での利用促進につなげることを目的に実施したものであります。普段の利用者数は1日平均100人前後でありますけれども、「無料の日」当日は実に630人と、日頃の6倍以上もの皆様にご乗車を頂き、利用者からも大変好評を頂きました。
今後も市の大型イベントなど、折を見て逐次開催し、地域の移動手段を担い守っている地域公共交通の意義を多くの皆様に広く感じていただき、日常での利用促進を図ってまいりたいと考えております。
次に、先日になりますが、台湾の高雄市、またスウェーデンのストックホルムマラソンに、それぞれの市長や関係機関から招待を受け海外訪問いたしました。
台湾の高雄市につきましては、昨年の台湾訪問において交流を図りました「日台文化芸術交流協会」と、交流事業を計画していることを通じて、陳高雄市長からの招待を受け、表敬訪問いたしました。
大変熱烈な歓迎を受けまして、良好な意見交換ができ、文化や観光・温泉、教育などの分野で交流を深めていくことを確認し、現在、計画している交流事業(玉名国際芸術祭)の開催時には、ぜひ高雄市民とともに玉名にお越しいただくよう招待してまいりました。
また、スウェーデンのストックホルムマラソンにつきましては、ご承知のとおり、金栗四三翁が1912年に日本人として初めてオリンピックに出場した地でもあり、昨年には、ソレントゥーナ市において2か月間「金栗企画展」が開催され、本市も協力した経緯から、ストックホルムマラソン実行委員会のCEOより 大会への招待を受け訪問しました。
ストックホルムマラソンでは、ストックホルムスタジアムでの表彰セレモニーにおいて、大勢の観客を前にご紹介頂き、盛大な拍手で迎えられる中、同国におけるマラソン功労者へ、金栗トロフィーの贈呈を行わせていただきました。
併せて、同じくストックホルムにある日本人学校と日本人会で合同開催される日本人運動会への金栗トロフィーの贈呈や、在スウェーデン日本国大使公邸への訪問、また、ぺトレ家との交流、そしてソレントゥーナ市役所でのヘンリック市長との面談、国立ストックホルムスポーツ博物館における「金栗四三展」オープニング式典への出席など、短い期間でありましたが、金栗先生のスウェーデンでの物語の襷を繋ぐための濃密な交流事業を実施してまいりました。
それぞれの訪問先において、今後の様々な交流についての協議を行なうことができ、深い友好関係を築く契機となる大変有意義な訪問となりました。今後の展開をぜひ共々に楽しみにしたいというふうに思っております。
続きまして、元日の能登半島地震につきましては、発生から、やがて半年を迎えようといたしておりますが、今週の月曜日にも、最大震度5強の揺れを観測するなど、一連の地震活動が継続していることに恐怖と不安を覚えるところであります。
被害の大きかった石川県では、住宅の被害は8万棟を超え、1割にあたる、8,000棟を超える建物が全壊、そして未だ断水が続いている地域もあるなど、生活再建に向け、懸命な取組が進められておりますが、今なお、3,500人以上の方が厳しい避難生活を余儀なくされている状況であります。
本市においても、職員を復興支援のため「チーム熊本」の一員として、積極的に応援派遣を続けてきたところでありますけれども、復旧にはかなりの時間を要すると考えられ、被災者の皆様のご苦労や困難な状況に置かれていることを思慮いたしますと大変胸が痛むところであります。
改めまして、被災地において、救援や復興支援などの活動に尽力されている方々に深く敬意を表しますとともに、一日も早い復旧・復興が実現できることを心からお祈り申し上げたいと存じます。
そして、このような地震に、風水害など、大規模な自然災害が毎年多発しておりますが、これからまさに梅雨、そして台風シーズンを迎え、水害をはじめとした災害に対する警戒が必要な季節となりました。
先月のゴールデンウィーク中の長雨や、先週には、台風1号が発生し、局地的に激しい雨が降るなど不安定な天候が続きました。このような台風に加え、今年の夏は梅雨前線に流れ込む湿った空気が、例年より多くなることも予想されています。
先週の5月29日には、玉名市防災会議を開催し、本格的な出水期を迎えた、この時期の大雨情報などに細心の注意を払い、お互いの連携を強化するなど、防災体制の確立に向けた取組について確認しあいました。
また、自主防災組織の結成率の更なる向上や、避難行動要支援者の方々を迅速かつ安全に避難誘導するための訓練など、地域での避難支援体制づくりについても強化していくなど、引き続き、防災・減災につきましては、常に危機意識をもって、早め早めの備えを心がけながら、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。
また、災害に関連いたしまして、近年は、気候変動の影響により気温は年々上昇傾向にあり、人の健康に重大な被害が生じる恐れがある、過去に例のない災害級の熱波や広域的な危険な暑さが、
いつ発生してもおかしくはないというふうに言われております。
こうした本格的な暑さを迎える前に、環境省は、「熱中症特別警戒アラート」の運用を開始するとともに、市民の皆様が暑さから避難するため、冷房が効いた公共施設などを「指定暑熱避難施設」、いわゆる「クーリングシェルター」としてあらかじめ指定し、アラート発令時に開放することを求めています。
現在、本市の公共施設でも、暑さを感じたら気兼ねなく涼んで頂くように開放運用しておりますが、「クーリングシェルター」の指定にあたっては、具体的に施設の空調設備や休憩スペースの確保、収容人員などの状況を考慮しつつ選定を行うとともに、市ホームページでの公表、市公式LINEにて自らの位置情報から 近い施設を検索できるサービスといった提供準備を早急に進めているところです。
昨年の令和5年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員は90,000人を超え、一昨年の同期間の救急搬送人員と比べますと20,000人の増となっており、死亡者数も増加するなど、今や大きな社会問題でもあります。こまめな水分・塩分補給、また高温下での運動の原則禁止などの対策の徹底を呼び掛ける一方で、熱波や危険な暑さから命を守る行動としての冷房の効いた公共施設等の利用対策を行ってまいりたいと考えております。
最後になりますが、今議会では、主なものとして、国が予備費を活用して実施する物価高騰対策の「低所得者支援及び定額減税補足給付金」などの対応で、給付金総額で8億5,250万円、
また、児童手当事業で、対象年齢引き上げ等の制度改正に伴いまして2億3,827万円などを計上いたしております。
議案の内容につきましては、このあと提案理由の説明の中で、それぞれ申し上げさせていただきますので、充分にご審議をいただき、いずれも原案どおり、ご承認を賜りますようお願いを申し上げ、開会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。
カテゴリ内 他の記事
- 2024年9月2日 令和6年9月議会 招集あいさつ
- 2024年2月29日 令和6年3月議会 招集あいさつ
- 2024年1月22日 令和6年1月臨時会 招集あいさつ
- 2023年12月1日 令和5年12月定例会 招集あいさつ
- 2023年9月7日 令和5年9月定例会 招集あいさつ
- 2023年6月5日 令和5年6月定例会 招集あいさつ
- 2023年4月5日 令和5年3月定例会 招集あいさつ