令和7年12月議会 招集あいさつ
令和7年11月28日(金曜日)
皆様おはようございます。
令和7年8回玉名市議会、定例会の開会にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
議員の皆様におかれましては、御多忙の中、御出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
まずはじめに、この場をお借りしまして、故浜田繁次郎議員の追悼の言葉を申し述べさせて頂きたいと存じます。突然の別れから10日が経過いたしましたが、惜別の悲しみはあまりにも深く、未だ、どうにもならない空虚を覚え、哀切とも痛惜とも言いようのない気持ちであります。
この場の同士でもあられる議員の皆様方も同じ気持ちでおられるところと存じます。
令和3年、地域住民の厚い信頼を得て玉名市議会議員に初当選されて以来、4年間、本市発展のため、寸暇を惜しまず奔走されました。
そして、先月の市議会議員選挙では見事に2期目の当選を果たされ、これまでの経験をさらに活かし、今後の更なる活躍が期待されていた矢先の逝去であり、痛恨の極みと言わざるを得ません。
浜田繁次郎さんとは、同世代で若かりし頃から懇意にしていた間柄であり、青年会議所などでも共に活動しておりました。少し、控えめでありながらも、常に周りへの気配りを忘れず、優しく包み込む姿、その柔和な笑顔と穏やかな話しぶりで、周りから深く慕われておられました。私もまた、その飾らない人柄に深く感銘を受けていた一人でもあります。
市議会議員としても、常に他者を思いやり、たゆまぬ向上心を持ち、どんな困難な状況に直面しても決して諦めることなく、そのやさしい人柄で周囲を励ましながら、前向きな解決策を模索される姿は、私たちに大きな希望を与えてくれました。その言動の源は、揺るぎない郷土愛と、市民への深い愛情があったからこそと存じます。
いまだに信じがたいことではございますが、彼が本市に注いできた崇高な志と限りない愛情に深く敬意を表するとともに、その遺志を胸に刻み、今後も市政の発展に全力を傾注してまいることを決意した次第です。
惜別の思いは語り尽くせませんが、ご生前の真摯で献身的なご尽力に心より敬意を表しますとともに、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。
浜田繁次郎さん、本当にありがとうございました。
それでは、3期目市長就任後初の市議会定例会にあたり、私の所信の一端を申し述べさせていただき、議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
私が市長に就任させていただいてからの8年間を見ましても、社会を取り巻く環境は大きく変化してまいりました。少子高齢化の急速な進展、AIなどのデジタル技術の飛躍的な進化、熊本地震や新型コロナウイルスの流行、そして、近年の異常な猛暑や度重なる豪雨をはじめとする自然災害など、私たちの価値観や生活様式に大きな変容をもたらしました。
しかし、このような社会情勢や価値観の変化に伴うパラダイムシフトを意識することで、これまでの様々な活動や施策を見直す貴重な進展の機会になったと感じております。
3期目の市政運営においても、これらの経験と教訓を踏まえ、引き続き「笑顔」というキーワードを大切にしながら、玉名市の将来像をまとめた「笑顔をつくる10年ビジョン」この3つの原則「市民生活の安定」、「まちづくりの充実」、「行政運営の進化」に基づく取組を推進し、その実現に向けて、市政の舵取りを担っていく所存でございます。
それでは、今後4年間、私が強い覚悟を持って推進してまいります、主な取組について申し上げます。
全国的な問題でありますが、本市も直面する最大の課題である人口減少。この厳しい状況の中、令和5年に公表された社人研(国立社会保障・人口問題研究所)の最新推計人口では、県下14市中、本市を含む3市が上方修正され、本市は平成30年に公表された令和7年時点での推計人口よりも1,500人程度上回っております。これは、平成30年時点での想定より人口減少のペースが緩やかに推移していることであり、「笑顔をつくる10年ビジョン」の着実な進展が効果として現れていると捉えております。この実績と手応えをもとに、引き続き、今後も全庁一丸となって持続可能なまちづくりに取り組んでまいる所存です。
具体的な取組といたしましては、まず「子育て支援の更なる充実」でございます。
未来を担う子どもたちの育成は、持続可能なまちづくりに不可欠であることから、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、子育て世帯が安心して、そして楽しく暮らせる環境づくりを最重点に取り組んでまいります。
まず、来年度に、小中学校給食費の無償化を実現したいと考えております。無償化にあたっては、財源という課題についてもしっかりと検討しつつ、適切な栄養の摂取による児童生徒の心身の健全な発達と子育て世帯の家計への負担軽減を目指してまいります。
併せて、近年の猛暑を踏まえ、子供たちの学習・生活の場であるとともに、災害時には避難所として活用する小中学校体育館の空調設備を全校整備し、子どもたちの学習環境の改善に努めてまいります。
また、子ども医療費の高校生までの無償化を継続し、安心して子育てに専念できる環境づくりに尽力してまいります。
次に、現在、まちづくりの指針である「まちなか未来図」にて方向性を示しておりますが、官民連携による、旧市役所跡地を活用した子育て交流拠点の整備に取り組んでまいりたいと考えております。この子育て交流拠点には、雨の日でも遊べるような子育て広場、キッズパークなどを整備し、子育て世代の交流促進と子育て支援の更なる充実を図ってまいります。あわせて、地域教育やコミュニティ育成のために、地域の子どもや大人も集まる環境づくり、そして災害避難所として活用できるような防災機能も充実させてまいりたいと考えております。
中央病院跡地につきましては、周辺に大学、高校、小中学校が点在している文教エリアとして、図書館機能を中心に、カフェテラスや交流・学習スペースを備えた拠点整備により、多世代が集い、学びと交流、くつろぎの場などを創出する、過ごしやすい環境の整備を進めてまいりたいと考えております。あわせまして、こちらにおいても、防災を意識した施設整備に取り組んでまいります。
続きまして、「観光振興」につきましては、コロナ禍からの回復、TSMCの熊本進出によるインバウンドや国内観光といった旅行、観光需要が高まっております。
その観光スポット、目的地づくりに向けまして、しおまちパークをリニューアルし、更なるにぎわいの創出を目指してまいります。あわせて、道の駅やペットランドといった集客施設の誘致を推進し、関係人口・交流人口の増加と地域経済の活性化に繋げてまいりたいと考えております。
「産業振興」につきましては、農水産業の生産・担い手支援はもちろんのこと、玉名の基幹産業でもある農業の効率化、高収益化を目指す農地基盤の推進や、近年の自然災害に備えた対策による災害に強い農水産業の推進、玉名産天然あさりなど水産資源の管理と成長産業化を進めることで、所得向上を支援し、地域経済の活性化を図ってまいります。
また、これまで、地域経済の活性化と雇用創出を最重要課題と位置づけ、企業誘致に精力的に取り組んでまいりました。その結果、過去8年間で22件、特に直近4年間では15件もの企業と立地協定を締結いたしております。この誘致の勢いをさらに加速させるべく、官民連携のもと、新たな産業団地の建設に積極的に取り組んでいくとともに、既存企業の事業拡大も支援し、雇用創出と地域経済の更なる活性化を目指してまいります。
また、ふるさと納税につきましても、引き続き積極的に取り組み、貴重な自主財源の確保のみならず、玉名が誇る特産品の認知度向上、ひいてはシティプロモーションにつなげてまいりたいと考えております。
次に、防災対策についてでございますが、近年、全国的に未曾有の自然災害が頻発しております。市民の皆様が安心して暮らせるよう、「災害に強いまちづくり」は市政の喫緊の課題であり、最優先事項の一つであります。現在進めております菊池川河川防災ステーションがいよいよ完成いたします。災害時には防災拠点として、平常時は市民憩いの広場として、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。
また、本年8月に発生した豪雨で被害を受けた浸水箇所への緊急対策を進めておりますが、さらに、内水氾濫および外水氾濫が発生し、甚大な浸水被害が発生した地域などについては中長期的な抜本対策も検討するなど、短期・長期両面から防災・減災対策を推進してまいります。あわせて、国や県などの関係機関にも、協力及び支援を強く働きかけるとともに、地域住民の皆様との連携強化、防災意識の向上にも力を入れ、自助・共助・公助が連携した、真に災害に強いまちの実現を目指してまいります。
最後に、市民の皆様から信頼される市役所を市職員一丸となって創り上げていきたいと考えております。8月の豪雨災害において、職員は昼夜、休日を問わず献身的に対応し、被災された市民の皆様への迅速な支援にあたってくれました。困難な状況下でも、市民の皆様の安全・安心を守るため、全力を尽くしてくれた姿は、市職員としての誇りと責任感を強く感じさせられるものであったと思っております。これからも、職員がワンチームとなって市民の皆様の期待に応えるためにも、職員の笑顔が増える職場環境づくりに引き続き尽力してまいります。
以上、所信の一端について申し述べさせていただきましたが、3期目も初心を忘れず、市民の皆様の笑顔のために粉骨砕身の覚悟で、市政運営に邁進してまいります。議員各位、そして市民の皆様には、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
最後になりますが、今議会では、令和7年8月豪雨により被災した農地、農業用施設、道路及び河川の災害復旧に要する経費及び、人事院勧告等による人件費調整費などをお願いしているところでございます。
議案の内容につきましては、このあと提案理由の説明の中で、それぞれ申し上げさせていただきますので、今議会提案の予算及び案件に対しましては、充分にご審議いただき、いずれも原案どおりご承認を賜りますようお願い申し上げまして、開会にあたりまして、私の挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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