企画展 「川本末雄展 現代日本画の新境地を開いた画家」
平成10年10月、本館では、玉名出身の日本画家、川本末雄氏が前年の熊本県近代文化功労者として顕彰されたことを記念して、「川本末雄展」を開催しました。川本末雄は、明治40年に玉名郡玉名村(現玉名市玉名)に生まれました。東京美術学校日本画科へ進み、松岡映丘に師事、同級生の杉山寧と首席を争いました。松岡映丘の没後は、山口蓬春に師事します。
卒業後、仕事をしながら創作活動を開始、官展への出品を試みますが、しばらくは落選の日々がつづきます。 しかし、終戦後の昭和23年故郷玉名を流れる菊池川周辺の風景を描いた作品「うすれ日」で、日展初入選を果たしました。昭和24年、「夕映え」が第5回日展で特選に選ばれると、再び上京し次々に話題作を発表していきます。昭和32年には日本橋高島屋で個展を開催するまでになります。また、このころ川本は故郷玉名の学校や、修行時代の恩人河野潜に作品を寄贈しています。
昭和50年には、改組第7回日展に出品した「春の流れ」が翌年の日本芸術院恩賜賞に選ばれます。このとき、作家司馬遼太郎等と並んで昭和天皇より恩賜賞を賜っています。その後も個展の開催や、日展参事に就任するなど活躍しますが、昭和57年12月24日鎌倉にて永眠。遺作十数点は貞子夫人により熊本等の県立美術館に寄贈されました。平成9年、熊本県近代文化功労者として顕彰されます。
展示期間
平成10年10月13日(火曜日)〜平成10年11月23日(月曜日・祝日)
チラシ
※過去の企画展の為、チラシに掲載の情報の内、概要・趣旨などのみ記載しております。
図録
平成10年10月13日発行 A4版カラー24頁 販売価格800円
購入方法については刊行物のご案内をご覧ください。
川本末雄関係の企画展
- 「玉名が生んだ日本画家 川本末雄展」 平成23年6月25日〜平成23年7月24日
- 「川本末雄のなつ・あき・ふゆ・はる」 平成29年7月29日〜平成29年10月1日
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