企画展 九州新幹線全線開通記念 「玉名の絵図展-今に生きる町・村・道-」
地図がない時代、人々は手書きで身の回りの地域を絵図に描きました。それは精巧ではないものの、地域を知る貴重な資料となっています。江戸時代、高瀬は熊本・八代・川尻・高橋とともに五ヶ町のひとつに数えられ、藩の保護が加えられ、商人町として活気に満ち溢れていました。当時の町の様子は、嘉永7(1854)年の「高瀬町図」(熊本県立図書館蔵)に見ることができます。高瀬と並ぶ町としての伊倉には、「伊倉中絵図」(天明3<1783>年 本館寄託)も残っています。そのほか小田・内田・南関・荒尾手永絵図や菊池川絵図、南関より長崎陸路絵図、玉名郡図、高瀬藩図、三原家東南眺望図(明治元年)など、玉名に関する絵図はさまざまあります。絵図は彩色が施され見ていて飽きないうえに、こんなところにこれがあったと新たな発見も随所にあります。玉名は、江戸時代に菊池米の集積地として栄え、これらが大坂に運ばれ、また大坂よりさまざまな物資・文化が、玉名のみならず菊池川を通り山鹿・菊池へ運ばれていきました。菊池川は、平成8年に文化庁の「歴史の道百選」に全国でただ一つ「河川交通」として選ばれています。江戸の終わりごろ、肥前から絵師・北島勝永が肥後藩の絵師たちと交流を行うため熊本へ向かう途中玉名に立ち寄り、幕末平野国臣ら勤王の志士たちが、梅林の松村大成の元へ、絵図に描かれた道を通っていきました。さまざまな「道」が通じる玉名は、絵図として描かれることによって、交通・経済・文化の要衝であった歴史を残すことができました。当館では、新幹線新玉名駅の開業にあわせ、この展覧会を企画しました。今回の絵図展では、当館で初めて展示する「高瀬町図」を中心に、さまざまな絵図を展示予定です。交通の要衝として栄えてきた玉名の歴史と、新たな形で生まれ変わろうとしている玉名の未来とを重ねあわせてみませんか。
展示期間
平成23年3月12日(土曜日)〜平成23年6月19日(日曜日)
※「高瀬町図」は3月12日(土曜日)〜5月8日(日曜日)の期間限定展示
チラシ
会場
玉名市立歴史博物館こころピア 企画展示室
休館日
毎週月曜日及び祝日の翌日
開館時間
午前9時〜午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
観覧料
- 一般:300円
- 大学生:200円
- 高校生以下:無料
(20名以上からの団体割引 一般210円、大学生140円)
主催
玉名市立歴史博物館こころピア
関連事業
講演会「人・もの・情報を運んだ歴史の道 -邪馬台国から参勤交代まで-」
講師:九州大学名誉教授 丸山雍成氏(玉名市出身)
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