企画展 文化庁「歴史の道百選」選定記念 「川と港展」
平成8年、文化庁選定「歴史の道百選」に河川交通として全国ただ1カ所「菊池川水運(寺田〜新大浜橋)」が選ばれたことを記念して、「近世の菊池川水運」をテ-マに企画展を開催しました。古くから、海外との交易で栄えた高瀬は、江戸時代に入ると国内交易の拠点としてさらに発展します。加藤清正のころから建てられた高瀬御蔵は、細川氏肥後入国以後も菊池川流域一帯の年貢米を集積し廻船で大坂へ運搬する基地となりました。そのほか、麦・大豆などの雑穀も納屋物として商人たちが大坂へ送りました。17世紀末以降廻船の大型化に成功した弁財船は千石船の俗称で知られています。
廻船模型は漁民・商人・廻船業者等が航海の安全を祈願して海の神である金毘羅宮に奉納したものです。玉名市大浜町の外嶋住吉神社にも、廻船模型3隻が奉納されていました。それぞれ時代が異なり、船材に書かれた文字から、1隻は宝暦9年(1759)、1隻は、明治4年(1871)の製作であることが分かっています。もう1隻は船の形状から、この中間ぐらいの製作ではないかといわれています。
特に宝暦年間の模型は、初期の廻船の形態を色濃く残すものとして、全国的にも珍しく貴重なものといわれています。
江戸時代、高瀬町を代表する商家であった伊勢屋には、長さ3.5メートルにおよぶ廻船姿図が残っています。天保9年(1838)に書かれたもので、1500石積廻船の10分の1絵図ですから、実物は35メートル程度でしょうか。
展示期間
平成9年9月2日(火曜日)〜平成9年10月12日(日曜日)
図録
平成9年8月28日発行 A4版白黒16頁 販売価格300円
購入方法については刊行物のご案内をご覧ください。
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