菊池川流域日本遺産の紹介 第10回 菊池川の中世河口港関連遺跡群
米作り、二千年にわたる大地の記憶 〜菊池川流域「今昔『水稲』物語」〜
菊池川流域(玉名市・菊池市・山鹿市・和水町)は、2,000年前から現代に至るまでの米作りに関する有形文化財、祭りや食文化、文化的景観が残されている稀有な場所であるとして、平成29年4月に日本遺産の認定を受けました。
日本遺産とは、文化庁が平成27年度から開始した事業です。文化財保護法等による文化財保護制度とは異なり、指定文化財・未指定文化財の枠を超えた「我が国の文化伝統を語るストーリー」として観光などに活用し、地域活性化につなげていくことが目的です。
第10回 菊池川の中世河口港関連遺跡群
中世に安定した統治を行い米作りの発展に寄与した菊池一族は菊池川全体を勢力下に治めると、菊池川の河口に位置する高瀬と伊倉を利用して中国大陸や朝鮮半島との海外貿易を行いました。戦国時代には、キリスト教の宣教師も訪れ、活発な交流活動が行われました。特に伊倉には東南アジアとの貿易に携わった人々の墓や、キリシタン墓があることから国際色豊かな町であったことがうかがえます。
肥後四位官郭公墓(ひごしいかんかくこうぼ)
肥後四位官郭公墓は、玉名市伊倉南方に所在します。被葬者である「�鞆覲�(ひんきかく)」(銘文ママ)は、海澄県(現在の中国福建省)出身で、日本に在留してフィリピンなど東南アジアと貿易を行った人物です。この墓碑は、息子の国珍・国栄が元和5年(1619年)に建てたものです。「元和己未年仲秋吉旦」の銘があることから、紀年銘が明らかな唐人墓としては日本最古のものであることが分かっています。地域では「しいかんさんの墓」と呼ばれ、伊倉町の人々及び近郷の里人から親しまれ大切に保存されています。
(肥後四位官郭公墓)
振倉謝公墳(しんそうしゃこうふん)
振倉謝公墳は、玉名市伊倉北方に所在します。被葬者である「振倉謝」(銘文ママ)は前述の�鞆覲圓筝綵劼領啅儻磴汎瑛佑頬念廚暴昌�した人物と考えられています。昭和51年に玉名市教育委員会が行った発掘調査では木棺2点が出土し、それぞれの木棺から40歳未満の男性と40歳前後の性別不明のみられる人骨などが見つかりました。当時の中国の墓地形式から見て、この2人は夫婦であると推定されます。
(振倉謝公墳)
明人林均吾墓(みんじんりんきんごぼ)
明人林均吾墓は、玉名市天水町部田見に所在します。被葬者である「林均吾」は、マカオ・フィリピン・ベトナムなどへ船を出し広域に貿易をしていた「林三官」と同族関係にある物と考えられています。墓碑には「元和七年 林均吾墓 男新作立」の銘文があり、元和7年(1621年)に息子の新作が建てたことが分かります。
(明人林均吾墓)
吉利支丹墓碑(きりしたんぼひ)
吉利支丹墓碑は、玉名市伊倉北方に所在します。明治時代に地中から発見されました。かまぼこ形で正面に十字を刻んであり、キリシタン墓の特徴を表しています。中世末から近世初頭にかけて、当地においてのキリシタンの存在を示す資料です。
(吉利支丹墓碑)
関連ホームページ
- 玉名市指定文化財 肥後四位官郭公墓
- 玉名市指定文化財 振倉謝公墳
- 玉名市指定文化財 明人林均吾墓
- 玉名市指定文化財 吉利支丹墓碑
- 日本遺産ポータルサイト(外部リンク)
- 菊池川流域日本遺産ホームページ(外部リンク)
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