平成19年度からの税制改正
個人住民税の税率などの改正
1.住民税所得割の税率
税制改正により納税者の負担は変えずに国から地方への税源移譲が行われることになりました。住民税の税率は課税所得額により3段階に分かれていましたが、平成19年度から一律10%に変わり、所得税の税率も4段階から6段階に改正されます。改正後の住民税(平成19年6月から)は増え、その分所得税(平成19年分から)は減ります。
ただし、住民税と所得税の納付方法により税源移譲の影響にズレが生じます。会社から給与天引きされている方は、所得税の減少が19年1月から、住民税の増加は19年6月からとなります。また事業を営んでいる方は、住民税の増加が19年6月から、所得税の減少は20年3月の確定申告からとなります。
このように住民税と所得税を合わせた税負担は同じですが、その割合が変わります。
課税所得額 | 税率(内訳) |
---|---|
200万円以下 | 5%(市民税3%,県民税2%) |
700万円以下 | 10%(市民税8%-10万円,県民税2%) |
700万円超 | 13%(市民税10%-24万円,県民税3%-7万円 |
課税所得額 | 税率(内訳) |
---|---|
一律 | 10%(市民税6%,県民4%) |
課税所得額 | 税率 | 速算控除額 |
---|---|---|
330万円以下 | 10% | 0円 |
900万円以下 | 20% | 33万円 |
1,800万円以下 | 30% | 123万円 |
1,800万円超 | 37% | 249万円 |
課税所得額 | 税率 | 速算控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
330万円以下 | 10% | 97,500円 |
695万円以下 | 20% | 427,500円 |
900万円以下 | 23% | 636,000円 |
1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 | 40% | 2,796,000円 |
2.人的控除の差額調整
住民税と所得税では、人的控除(基礎控除や扶養控除など。所得控除一覧表参照)に差があるために同じ所得額でも課税所得額に違いがでます。住民税額と所得税額の合計が、納税者個々に税負担が極力変わらないよう人的控除の差に基づく負担増の調整を行います。
調整控除の算定式
課税所得額が200万円以下の場合(次の1、2のいずれか小さい額の5%)
- 人的控除額の差の合計額
- 住民税の課税所得額
課税所得額が200万円超の場合
[人的控除額の差の合計額-(住民税の課税所得額-200万円)]の5%
*算定した額が2,500円未満の場合は2,500円とします。
所得控除 | 所得税 | 住民税 | 差額 |
---|---|---|---|
障がい者控除(普通障がい者) | 27万円 | 26万円 | 1万円 |
障がい者控除(特別障がい者) | 40万円 | 30万円 | 10万円 |
寡婦控除(一般寡婦) | 27万円 | 26万円 | 1万円 |
寡婦控除(特別寡婦) | 35万円 | 30万円 | 5万円 |
寡夫控除 | 27万円 | 26万円 | 1万円 |
勤労学生控除 | 27万円 | 26万円 | 1万円 |
配偶者控除(一般配偶者) | 38万円 | 33万円 | 5万円 |
配偶者控除(老人配偶者) | 48万円 | 38万円 | 10万円 |
配偶者特別控除(配偶者の合計所得金額が38万円超40万円未満) | 38万円 | 33万円 | 5万円 |
配偶者特別控除(配偶者の合計所得金額が40万円超45万円未満) | 36万円 | 33万円 | 3万円 |
扶養控除(一般扶養) | 38万円 | 33万円 | 5万円 |
扶養控除(特定扶養) | 63万円 | 45万円 | 18万円 |
扶養控除(老人扶養) | 48万円 | 38万円 | 10万円 |
扶養控除(同居老親等) | 58万円 | 45万円 | 13万円 |
同居特別障がい者加算 | 35万円 | 23万円 | 12万円 |
基礎控除 | 38万円 | 33万円 | 5万円 |
定率控除(特別減税)の廃止
定率減税(住民税所得割額の7.5%で限度額が20,000円、所得税額の10%で限度額125,000円)が廃止となります。この廃止により発生する税額分が増えることになります。
65歳以上の方への経過措置
平成18年度から住民税の非課税措置のうち、65歳以上で前年の合計所得額125万円以下の方に対する非課税措置が廃止されました。
ただし、平成17年1月1日現在、65歳以上の方(昭和15年1月2日以前に生まれた方)で、前年の合計所得金額が125万円以下であれば、経過措置として住民税額(均等割額と所得割額)の3分の1が控除されます。
年度 | 均等割額 (市民税) | 均等割額 (県民税) | 所得割額 |
---|---|---|---|
18年度 | 1,000円 | 800円 | 市民税・県民税とも本来の税額の3分の2が控除されます。 |
19年度 | 2,000円 | 1,100円 | 市民税・県民税とも本来の税額の3分の1が控除されます。 |
20年度 | 3,000円 | 1,500円 | 市民税・県民税とも本来の税額が課税されます。 |
カテゴリ内 他の記事
- 2023年5月19日 令和5年度個人市民税・県民税のあらまし
- 2023年4月13日 車検時の納税証明書の提示が原則不要になり...
- 2020年5月26日 法人市民税とは
- 2015年1月15日 個人住民税の特別徴収の全県的推進について
- 2015年1月15日 市県民税の給与からの特別徴収の完全指定に...
- 2015年1月15日 平成22年度からの税制改正
- 2015年1月15日 平成21年度からの税制改正