玉名市立歴史博物館こころピア開館記念 「木下順二展」
平成6年5月、博物館の開館を記念して、玉名を故郷とされる著名な劇作家木下順二氏に記念講演をお願いするとともに、「木下順二展」を開催いたしました。
木下順二と玉名とのかかわりは、父弥八郎が伊倉町長、祖父助之が玉名郡長、国会議員、曾祖父初太郎が玉名郡の惣庄屋で、本人は、中学時代に伊倉町誌を作ったり、創作のための取材に何度も玉名を訪れています。
これは、木下順二が熊中2年のとき、夏休みの宿題としてまとめた郷土誌『伊倉町誌』です 原稿用紙139頁の長さで、内容は第1編郷土、地理、第2編郷土史、第3編町民性、付録、碑銘集となっており、表紙裏には伊倉の地図2枚が添付されています。
『風浪』は、木下順二の処女戯曲です 明治維新という巨大な価値転換期を迎え、様々な対立が渦巻く熊本を舞台に自らの生き方を求め苦悩する“青年群像”を描いた作品です。
写真は、木下順二が心魂を傾けて翻訳したシェイクスピアの悲劇、喜劇の代表的傑作15篇を収録したものです。シェイクスピアは氏の重要な研究テーマであり、関係著書も多数出版されています。
『夕鶴』は、日本の民話(昔ばなし)を素材に書かれた作品です。「婦人公論」1949年1月号に掲載され、その後1,000回以上に及ぶ公演がなされ、木下戯曲の中でも最も親しまれた作品となっています。
『子午線の祀り』は、1978年「文芸」の1月号に掲載された作品で、初演は79年「山本安英の会」によって行われました。順二は、この作品によって読売文学賞を受賞し、また上演関係者一同がこの公演で毎日芸術賞を受賞するなど、氏の代表的戯曲の1つです。
展示期間
平成6年5月22日(日曜日)〜平成6年7月31日(日曜日)
図録
平成7年3月31日発行 A4版一部カラー43頁 販売価格800円
購入方法については刊行物のご案内をご覧ください。
木下家関係の企画展
- 玉名市立歴史博物館こころピア開館記念 「木下順二展」 平成6年5月22日〜平成6年7月31日
- 「木下助之の周辺」 平成6年11月29日〜平成7年1月29日
- 「木下家とその交流 木下順二寄贈品展」 平成11年11月23日〜平成12年1月23日
- 「木下順二追悼展」 平成19年4月3日〜平成19年6月24日
- 「木下家の人々 -李吉・熊雄・父助之-」 平成29年5月27日〜平成29年7月9日
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